MENU

これまでのテイスティングノート39:リトルミル 12年 オフィシャル フルプルーフ 80年代流通

 

リトルミル LITTLEMILL 12yo OB Full Proof 54%
bottled in 80′s

・香り:
レモン、グレープフルーツとそのワタなどフレッシュで酸味のありそうなフルーティ、ふわっと青リンゴやシェルドネの白ワイン、熟していないメロンのようなニュアンスも。蜂蜜の甘い香り、草っぽさを伴うモルティがしっかり、アロコール感もやや強め、ナッツ、全体的にクリアな印象だがデンプンっぽいもっさり感が少しある。

・味わい:
アルコール感もしっかりしておりエッジが鋭い印象、濃いめの蜂蜜の甘さ、ややヒリヒリするスパイシー、やはり柑橘系の酸味のあるフルーティ、フルーツはフレッシュだが凝縮感があり噛み応えがある感じ、草、乾いた印象のモルティ、樽のニュアンスは少ない、少し塩気も感じる、
後半は旨みが舌にしみ込むような感覚があり非常に心地良く旨い。ボディは厚め。

・余韻:
噛み応えのあるフルーツと乾いたモルティ、ヒリヒリするスパイシー、蜂蜜の甘味がバランス良く主張。心地良いままで長めに残る。

・加水:
ほとんど崩れずバランスも保たれる。

・総評:
すべてにおいて、リトルミルとは思えない味わい。
ハイストレングスの濃い味わいが舌にしみ込んでくるような感覚で非常に旨い。蜂蜜やシロップのような甘味、ヒリヒリするスパイシー、柑橘系フルーツを凝縮したようなフルーツ感、乾いたモルティ、これらが非常にバランス良く主張し、申し分ない仕上がり。
自分のあまり得意でないリトルミル独特の紙やエグ味の要素は皆無。
派手さは無いが、飲むほどに旨く、ウイスキーをある程度飲み込んだドリンカーには特に愛されそうな味わい。
間違いなく現時点での自分のベストリトルミル。

【Very Good】

自分で開けて久しぶりに飲みましたが、やはり旨いです。
どう飲んでもブラインドでリトルミルとはわからないと思います。
リトルミルは、トロピカルなものを含めてもベンネヴィスと並んであまり得意でない蒸留所なのですが、このボトルには自分の苦手な要素が全く感じられません。今まで飲んだ他のリトルミルにはほぼ一貫して共通の紙っぽさやエグい感じがあると思うのですが、どうしてこれだけがこんなに違う味なんでしょうか・・・。
似たモルトを挙げろと言われると、(こちらはそこまで突き詰めて飲めているわけではないですが)自分としてはゼニスのローズバンク・カスクストレングスが出てきます。同じローランドでも格が違うと言われそうですが、似た要素が多いと感じています。

ちょっと共感してもらいづらいであろう、個人的感覚の話ですが、乾いたモルティとグレープフルーツ感を伴うフルーティが凝縮して粉っぽくなったような印象をうけるボトルが特に好きです。70年代蒸留のラフロイグ全般に加えてサマローリのグラント1963にも顕著に感じられた特徴でしたが、このボトルにも強くはありませんが確かに感じられます。これを見つけるとより美味しく思えてしまうんですよね。

〈2012/5/16 whiskylinkに公開〉


 

#リトルミル (LITTLEMILL)

この記事を書いた人