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現行品:衝撃!エドラダワー10年 オフィシャル

ミルキーなエドラダワーが帰ってきました。はっきりとあの頃の味がします。

 

エドラダワー EDRADOUR 10yo OB 40%
現行ボトル

香りは熟したオレンジやプラム、強くコーヒーフレッシュのようなクリーム感、粉ミルク、キャラメリゼしたナッツ、ミルクチョコレート、穏やかな麦感、飲むと非常に滑らかでとろりとした口当たり、香り同様の熟したオレンジやプラム、特徴的なコーヒーフレッシュ、それをたっぷり入れたミルクコーヒー、ミルクチョコレート、キャラメリゼしたナッツ、粘性もありまったりとした甘味、淡い渋味、最後まで滑らかで甘くクリーミー。

【Good/Very Good,Interesting】

エドラダワー10年,現行のオフィシャルスタンダードボトルです。
シグナトリーが買収したのが2002年ですから,ほぼそれ以降の蒸留の樽のヴァッティングでしょう。

ほとんどの方がご存じのとおり,エドラダワーといえば蒸留所の規模が小さいこと,そして独特のパフューミーな個性を持つことでも知られていますが,この現行のスタンダードボトルにはパフューミーな香味は感じられません。
一般的にはネガティブな個性とされるパフュームが消えていることに関しては,以前メゾンドウイスキーのものを飲んだ時にも書きましたが,個性的な蒸留所だったのに正直それほど特徴のないタイプで残念に思ったことも否めませんでした。

しかし,今回飲んで驚いたのは,まさに80年代の蒸留所ラベルに感じたようなミルキーなクリーミーさがしっかりと感じられたことです。
昔たまに出会ったパフュームの無い80年代のものがこんな感じで,今回これを飲んで,まっさきにそのボトルが頭に浮かびました。それくらい当時と同様の個性を感じたのです。

クリーミーなモルトといえば,最近ではドイツ系のボトラーから出てくるグレンタレットの1977や,ちょっと前のグレンロセスの良いものなんかに顕著に感じられましたが,それらは上品で洋菓子に使われる生クリームのようなクリーミーでした。
しかし,昔のものも今回のものもそうですが,エドラダワーのクリーミーさは,個人的には言葉は悪いですがやや安っぽさを感じるクリーミーで,コーヒーに入れる植物性のコーヒーフレッシュや粉ミルクのような独特の個性と感じます。
そして今回の現行10年は,現行品としては驚くほど嫌味が無いシェリー感も相まってコーヒーフレッシュがたっぷり入った甘いミルクコーヒーや,ミルクチョコレートのようなニュアンスとしても感じました。甘みはまったりと強く,べたつかないぎりぎりのところです。

他にはない独特の香味で,昔の10年は多少パフューミーでもこのクリーミーさを求めてたまに飲んでしまう味でした。しかし今はBARで飲むにも高くなりすぎました。
そんな中で出てきたこの現行10年,独特の個性を持ちながらパフュームもないですし安価ですし,素晴らしいCPを別にしたとしても昔のボトルに勝るとも劣らないものだと思います。
昔の個性を失い,美味しいながら特徴の薄くなった蒸留所が多い中,こういう昔の個性を取り戻したスタンダードボトル,嬉しくなってしまいました。
パフュームを消すだけでなく,魅力的な個性を取り戻したシグナトリーには心からの敬意を表したいと思います。

ただし,小規模でひとつのロットも大きくなさそうなエドラダワーです。
今回の現行最新ロット以外はこの味がしない可能性も否定できず,思わず3本買ってしまいました。
その後のモルト仲間からの情報によると少なくとも昨年1月ボトリングのロット(ボトルに記載)ではすでにこの系統の味だったとのこと。1発だけでは無かったと安心しました。
今後もこの味が安定してでてくることに期待します。

 

#エドラダワー (EDRADOUR)

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