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自宅テイスティング:インバーゴードン 1966-2012 デュワーラトレー #5

結構好きな長熟グレーンですが,久しぶりに買いました。

 INVERGORDON 1966-2012 46yo A.D.RATTRAY #5

インバーゴードン INVERGORDON 1966-2012 46yo A.D.RATTRAY #5 51.9%
one of 228 bottles, Bourbon Hogshead

 
 
・香り:
香りは強い,かなり強いバニラとオーク,ココナッツ,ワックスやセメダインなどの溶剤がしっかり,オレンジマーマレード,アプリコットジャム,甘やかな蜂蜜やキャラメリゼしたナッツ,シナモン,ショウガ,オイルと雑穀の穀物感もある。

・味わい:
穏やかな口当たり,香り同様に強く主張するバニラとオーク,オレンジマーマレード,アプリコットジャムや少し蜂蜜も感じる淡いコクのある甘味,ココナッツ,雑穀パンのような穀物感とオイルやクリーム,淡い粘性を感じるテクスチャー,引き締めるオークの渋味や煮出しすぎた紅茶のタンニンがあるが不思議とキツくは無い,リッチでじわじわとスパイシーさも感じる。強い味わいだがボディはミディアム。

・余韻:
オレンジやバニラ,ココナッツオイル,オークといった強く感じた香味が長く残る。引っ掛かりは無く心地良い。
 
・加水:
急激に香りが大人しくなり穀物感が強まるが,味わいはそれほど崩れない。
 
・総評:
ひと言でいうなら嫌みの無い上品で複雑なバーボン。
またアイリッシュに感じるような雑穀のような穀物感とオイリーさも感じた。
長熟でオークの主張もしっかりあるが,不思議とエグ味やタンニンは許容範囲におさまっており引っかからない。
想像以上に後半から余韻にかけてスムーズに流れる展開で飲み心地が良かった。

これだけ強い味なのにボディはそれほど厚くないあたりはグレーンらしい部分であろう。
気になるほどのエグ味や過熟感はでておらず,きっとサードフィル以降の樽で,シングルグレーンとして出すくらいだから結構特別な樽なのではないかと思うが,これだけの樽香がついているのにきついエグ味や渋味がないのはなぜなんだろうか。樽の問題なのか原酒の問題なのか・・・
 
【Good/Very Good】

 
デュワーラトレーのインバーゴードン1966,46年熟成。
バーボンホグスのシングルカスクです。

こういう長熟グレーンウイスキーって,明らかにモルトウイスキーとは異なっていてたまに飲みたくなる時があり,家だと常に1本は開いています。
どちらかというとスコッチというよりバーボンっぽいですがアイリッシュっぽいところもあり,ブラインドで出されるとたまに候補に入れるのですが当たった試し,というか出題された試しはなく,それならと今回開けて仲間たちにも逆に出題してみました。(笑)

バーボンはそれほど詳しくありませんが,一般的なバーボンに比べると溶剤っぽさやウッディネスの出かたなど共通点も多々ありつつも,より深みや厚みがあり,パフュームやケミカルさも感じないように思います。
また,これだけの長熟で強い味にもかかわらずキツいエグ味,渋味を感じない飲み心地の良さがあり,どこか品のある香味だと思います。

もちろん一般的なバーボンとは熟成期間も値段も全然違いますから同じ土俵で勝負させるものではないとも思いますが,この系統としてはモルト愛好家でも楽しめる1本ではないかと思います。

 

#グレーン (grain whisky)

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