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第3回SBTボトルA:私の出題したグレンバーギー 35年 GM 蒸留所ラベル

先日のwhiskylinkのブランドテイスティングで私が出題したボトルです。
思いのほか賛否両論でした。

 

GLENBURGIE 35yo GM Distillery Labels 46%
蒸留年不明 2012年流通品 フランス向け?

・香り:
開栓直後から華やかで強い発香。複雑だがフルーツ感がどんどん湧いてくる。
アプリコットジャム、熟した洋ナシ、オレンジ、桃、バナナミルク、リンゴジュース、少し白ブドウ、甘く濃い蜂蜜、ヴァニラ、蜜蝋、ワックス、樹液、カスタードクリーム、紅茶、やや強めのウッディネス、ヒノキ、心地良く優しいモルティもある。長熟らしい陶酔感も感じられ、複雑だが落ち着いた雰囲気。

・味わい:
アプリコットを中心に熟成感のしっかり出た複雑なフルーツと心地よいモルティ、滑らかでかなりクリーミー、蜂蜜のような心地よい甘味と味を深める木の渋味、鼻に抜けるメンソール、ヒノキを伴うウッディネスは後半やや強め、最後に主張してくるピート。
やわらかな口当たりからじわじわと広がりしみ込むような旨さであり、ヌルッと粘性があり樹液を飲んでいるような感じもある。甘味や渋味、フルーツと麦とピート、それらがとても良くバランスしている。ミディアムボディ。

・余韻:
樹液とクリーム、木の渋味、ややウッディネスが強いが嫌味ではなく、心地良い余韻。

・加水:
驚くほど崩れない。OBのような安定感。

・総評:
まず熟成感を感じる複雑かつナチュラルなフルーツが特徴的だが、滑らかでクリーミーな味わいがあり、麦感やうっすら感じるピートも効いている。加水だが度数の低さをマスクするような深みがあり、迫力は無いが決して平坦ではない。そしてまるでOBのようにバランスが良い。そんな中ややウッディネスが強い印象だったが、ギリギリ嫌味に感じないのは加水の妙だろうか。
GMのストックとヴァッティング技術を感じる1本。35年モノとしてはCPも素晴らしい。

【Very Good】

最近では、開栓から飲み終わるまでがダントツで一番早かったボトル。
まだ普通に出回っているボトルです。値段は15000円ほど。
香りは開栓直後から開いていて、複雑ですが拾いやすく、ノージングはかなり楽しいです。香り・味わいともにナチュラルなフルーティがあり、長熟の陶酔感もあります。とろっと甘くクリーミーで、樹液っぽさもあり、美味しいグレンロセスやクライヌリッシュともいくつか似たニュアンスがありました。加水でバランスが良く嫌味もなく飲み心地が良いため、次々と杯を重ねてしまいます。
複雑で深みもあるのに非常に近寄りやすい印象で、なんとなく飲んでもノンストレスに飲み進められますが、真剣に向き合って飲んでもそれに応えてくれる懐の広いボトルです。

そんなに普段から大量に飲むわけではないのですが、久々に1週間かからずにひとりで空けてしまったボトルでした。
さすがに飲み過ぎですね。(笑)

最初はこのブログに載せようと思ってまとめたテイスティングノートと感想でしたが、書いているうちに、whiskylinkで行うブラインドテイスティング(SBT)の出題ボトルにふさわしいテーマになると思ったため温存してました。

 出題したこのボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒  ボトルA評価   ボトルA正解発表

かなり興味深い結果になりました。
このラインナップで最高評価をくれたテイスターが4/10名と一番多かったのと同時に、最低評価としたテイスターも3名と、完全に賛否両論の結果でした。
欠点が少なくフルーティで甘味も強く、みんな大好きな味だと思っていたので非常に意外な結果でした。

その辺の検討も含めて是非whiskylinkをご覧になってください。

ヴァッティング加水のボトルはウイスキーファンにはやや不人気ですし、薄さ無難さと紙一重な部分もあるかもしれませんが、やはり特有の良さというものがあることを再確認できました。


 

#グレンバーギー (GLENBURGIE) #SBT

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