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ボウモア 1994-2008 14年 BBR レトロラベル メゾンドウイスキー向け #1685 54.5%

露骨なほど仕上がってきてます。

 

ボウモア BOWMORE 1994-2008 14yo BBR retro label for La Maison du Whisky #1685 54.5%

香りは重厚、昔のニュアンスのあるシェリー、パイナップル、果汁感あり、エスプレッソ、オレンジ、腐葉土っぽいアーシーさやレザー、ヨードもあるが強いスモークのあるピート。
飲むとまったりと柔らかな口当たり、パイナップルやプラム、パッションフルーツ、コクのある甘味と味を深めるタンニン、レザーと腐葉土、磯っぽさや魚介ダシ、スモーキーでフルーティな長い余韻。

【Very Good】

BBRが2008年にフランスのメゾンドウイスキー向けにボトリングしたボウモア1994、14年熟成です。
過去に自宅でも開けて記事にしており、そのボトリング後の変化があまりに素晴らしかったことに感激したボトルでもあります。

今回もやはりフルーティでピーティでアーシーで、その多彩さにテイスティングが楽しいのですが、何も考えずにその美味しさに浸りたくなったりもする不思議なモルトで、やはり素晴らしかったです。

ニューリリースの時にも話題になりましたが、もう10年近く経つんですね。。。

いつになく同じボトルを何度も掲載して、今回何が言いたいかというと、いよいよ未開栓の瓶内変化が過去の開栓後変化に追いついてきたということです。

以前から開栓後の変化をみることで、未開栓で長期保存したときの変化の予測ができるのではないかと書いてきましたが、このボトルはまさにその良い例になりました。

2008年のニューリリースから少なくとも数年間は、開けたてにサルファリー要素や椎茸っぽいオフフレーバーがあり、それが開栓後空気を含む瓶内で徐々に抜け、私の自宅では1年半で残り1/5になった段階で完全にピークとなり素晴らしい香味になっていました。
今回はというと、未開栓で約9年が経過していますが、開栓早々からオフフレーバーはほぼ感じられず、前回の1年半経ったピーク時の陶酔感や一体感まであと少しという印象でした。

無理矢理ピークに持っていった開栓後変化と比べ、未開栓でピークを迎えるのが香味やボディの抜け感も最小限と思われますので、未開栓のこのボトルがあと10年くらいしたら、伝説的な美味しさになっているということが今回確信に近いものとして感じられました。

今飲んで非常に美味しいボトルがニューリリース時にどういう味だったのかは、マスターやモルト愛好家の先輩方に聞くしかないことが多く、そのお話と今を比較していろいろ検討してきました。
ニューリリース時に自らが開栓ボトルを繰り返し真剣にテイスティングしてきたボトルが、このように経年変化を経て明らかに変化し、それをまた自らテイスティングして検証できるケースはまだ私のレベルではそれほどありません。
同じ2008年ボトリングでも変化しやすいタイプとそうでもないタイプがありそうですが、今回は露骨に変化したボトルでそれが検証できて感無量でした。
モルト愛好家冥利に尽きますね。

 

#ボウモア (BOWMORE)

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