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久しぶりのスコ文研テイスティング

2015年12月25日,クリスマスにもかかわらず(笑)スコ文研テイスティングが久しぶりに開催されました。
移転したオフィスには初めて伺いました。

土屋守さんと一緒に飲める定例会として昔は毎月のように開催されていたスコ文研テイスティングでしたが,たぶんあんまり儲からないですしいつものメンバーでグダグダになることが多いということもあってか徐々に頻度が少なくなり,マッサンが始まってからは完全に開催されなくなっていました。
そのことを先日のフェスで土屋さんにお話ししたところ,突然このタイミングで開催されました。(笑)
この日程にも関わらず意外にも14人の猛者が集まり,オフィスこそ変われど昔懐かしい雰囲気でした。

主なテイスティングアイテムは以下の5種でした。
年末は毎回豪華ラインナップというのが定番でしたが,今回は過去に類を見ないほど豪華でした。

1. モートラック25年
2. ハイランドパーク40年 ※土屋守生誕60周年記念ラベル
3. グレングラント 1954 Gordon & Macphail RARE VINTAGE
4. タリスカー30年
5. カバラン フィノ ソリスト カスクストレングス

これにカバランのオロロソのソリストなどがサプライズで追加されるという流れでした。
あとは例の如くオフィスから強奪したボトルを飲んだり持ち寄りボトルを飲んだりと最終的には昔ほどではないにしてもややグダグダになるという展開でした。(笑)

詳細なテイスティングノートこそつけませんでしたが,出していただいたものはじっくりテイスティングできました。

1. モートラック25年 オフィシャル

以前にIANさんで感激し,おかわりまでしたボトルですが,やっぱり円熟を感じ古酒のようなテクスチャーがある素晴らしいスペイサイドモルトでした。
今回はハウススタイルであるミーティさを探しながら飲みましたが,後半から余韻にかけて良い感じでありましたね。
陶酔感のある余韻も長く,やっぱり素晴らしく美味しいです。
【VG】

2. ハイランドパーク40年 オフィシャル ※土屋守生誕60周年記念ラベル

この40年は毎回バッチが異なり,私も何度か飲んでいますが,今回の土屋さんの還暦に特別仕様で贈られたバッチは,かなりピートが強いタイプでした。
やはりアイラのピートとは異なりスモークが強く,土っぽさや草っぽさも伴っていました。
もちろんピートだけでなく淡いオールドシェリーのニュアンスもあり北の巨人たる厚みのある複雑な香味で,かなり満足感がありました。
【VG】

3. グレングラント 1954-2006 Gordon & Macphail RARE VINTAGE #1818

土屋さんの生まれ年のグラント,2006年ボトリングのおよそ52年の超長熟で,JISさんから購入されたということでした。
この時代のグラントはオフィシャル,GMどちらも似た独特の陶酔感のあるオールドシェリー感が特徴的ですが,これもやっぱりそのニュアンスがしっかりありました。
長熟だけあってそれなりに渋味もありましたが,熟成年数やファーストフィルシェリーカスクというスペックを考えると驚くほど少なく,味を引き締める程度に留まっており,これはやはりGMの持ち込んだアメリカンホワイトオークのシェリーカスクだったからだろうという話になりました。
スパニッシュオークのファーストフィルシェリー,ましてやシーズニングシェリーでこんな長熟を作ったら樽臭いわ苦いわで飲めたものではないと思います。
シェリーを含め大量にワインを輸入して,良い樽を豊富に持っていたGMがグラントに持ち込んで詰めたものだからこそこんな味になったのでしょう。
ただ,その際に使用されたシェリーカスクのスペックとどういう経緯でGMが手に入れていたかに関しては謎が残るところです。
【VG】

4. タリスカー30年

ディアジオらしいプレーンな樽感で,味付け感がほとんどないクリアな香味でした。
しっかりとスパイシーでしたが,自然な熟成感がしっかりと出ている分タリスカーにしてはピートも弱めでややライトボディに感じました。
とはいえ余韻も長くかなり美味しかったです。
【G/VG】

5. カバラン フィノ ソリスト カスクストレングス

まだ創業から9年ですからこのボトルも当然短熟ですので,それまで飲んできた熟成の長いものとは全く異なり荒々しさも感じますが,ある種の熟成感もあってきちんと仕上がったモルトでした。

非常にナッティでリッチであり,クリーミーさやフルーティさもしっかりと出ていました。
濃い味には味つけ感が伴っているようにも感じる一方で,あからさまな不自然さは無いのが印象的でした。
なんとも上手く表現できないのですが,自然な熟成を経たスコッチと比べると,香味の一部だけが極端に熟成感を持ったようなニュアンスでした。
45000円と,スペックのわりに非常に高額ですので決して自分では買いませんが,ボデガ仕様のフィノカスクらしく,素晴らしい樽感でしたね。
【G/VG】

ちなみにこのあとソリストのオロロソカスクも比較で出てきました。
こちらもボデガ仕様とシェリーカスクということで,参加者の多数がこちらの方が美味しいという感想のようでしたが,個人的には最近のシーズニングシェリーと似たニュアンスを感じてしまい,明らかにフィノの方が好きでした。
ソリストが最初にリリースされた時に山岡さんに飲ませていただいたオロロソカスクがあったのですが,そちらはオールドのような高貴さを感じる非常に良いシェリー感だったのが印象的で,その記憶があったために感激が無かったのかもしれません。

このスコ文研テイスティング,前の前の狭くてお世辞にも綺麗とは言えないオフィスで行われていた頃にも参加していたのですが,初心者の頃と比べると知識や経験値も格段に上がったと思われる今でも,やはり土屋さんと話しながら飲めるというのが非常に魅力的です。
頻繁にスコットランドへ渡航し,蒸溜所やボトラーなどの関係者から直接最新情報を得ているということが非常に大きく,業界の動向などに関する視野も広く,普段ウイスキーの話をする多くの仲間やバーテンダーさん達とは違った刺激があります。

マッサンも終わって一段落したということもあり,また定例会として開催していく方針のようですから,タイミングが合えば是非また参加したいと思います。

 

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