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富士御殿場1997 No.699


蒸溜所限定販売の10年物のシングルカスク。

今年は「前期」「後期」の2樽がリリースされたが、これらのモルトは
10年前に行われたイベント「ウイスキーカレッジ」参加者のためのボトリングで、
参加者への配布後、残った数十本を蒸溜所内のショップで発売した物。
なお、こちらは「前期」。

今年からは「NEWS」の500mlボトル(3,500円)ではなく、
新しく640mlのスクエアボトルとなったが、実質の単価は変更無く、
手頃な価格(4,480円)で販売されている。

オフィシャルコメント
●樽No.M000699
・全体:雑味が少なくすっきりとした中にも果実香が豊かで、
    まろやかな甘みを感じる味と余韻が特徴のシングルバレルウイスキー。
・香り:熟したパイナップルやりんご等を思わせる果実香に
    ビスケット様の香ばしさが重層的に調和した、
    明るく軽やかな中にも奥行きのある香り。ピート香は穏やか。
・味 :当りから余韻まで甘味を伴った柔らかい味わいが持続する。

香り
軽いピートに、屋台で売られているリンゴ飴。
キウイフルーツ、パイナップル、青いバナナと言った酸味と苦みあるフレッシュフルーツ。
山葵の刺激。ワックス、松ヤニ。白檀香のお線香。軽く枯れ木の香りもある。
軽快さに力強さがあってフレッシュ。

味わい
シュワッとソーダの様な酸味ある口当り。口当りはちょっと苦手なタイプ。
味わいは少し甘めのラムネに、伊予柑(柑橘)のワタの甘苦みがあってドライ。
松ヤニ。嫌味が無い程度の軽いサルファー。
子供の頃に飲んだジンジャーエールの様な、大人の味。

加水後の味わい
スポーツ飲料水の軽い甘味の香りと、松。
甘味がほとんど無いが、苦みは残っている。
しかし薬の様な清涼感だけは残っていて、美味しく無いが、不思議な味わい。

後味
ふわっと桜とカエルの香りを漂わせつつ、白檀でもナフタリンでもない、
オリエンタルな木の香りを感じ、すぐに睡蓮の茎の味になり、それが短く消えて行く。
グラスには煎り豆や納豆の香ばしさが残っていた。

総評
シングルカスクとして発売するために選んだ樽という訳では無さそうな味わいだが、
ボトリングの由来を知る限り、そのボトリングを納得できる。
という程度のコメントしか残せない。
富士御殿場らしさという感じは薄いが、
山葵、松ヤニ、カエル、睡蓮の茎等の表現をする程、
不思議な個性のあるモルトだと感じた。

#富士御殿場

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