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キャンベルタウン→アラン島へ

2012.06.06

 朝。今日は移動日。一気にアラン島まで行く予定なので、B&Bのおかみさんには無理を言って朝食の時間を早めてもらう。今までのB&Bだと、前日までに朝食の時間を聞かれ、当日の朝、時間通りにいってみると、そこからおかみさんが「今日は何を食べる?」と訊ねて、そこから調理開始、となるのが普通だったが、こちらのおかみさんは、私が時間通りに顔を出すとすでに調理を始めていて、席でシリアルやヨーグルトをもぐもぐする間もなくスコティッシュ・ブレックファーストをサーブしてくれたので、少しでも早く出たい身としてはとても助かった。

 今日のルートを説明すると、まずはバスでアイラ島へ渡るためのフェリーターミナルがあるケナクレイグのすぐ近く、レッドハウスという場所まで北上。その後、キンタイア半島の東側にあるフェリーターミナル、クラオナイグまで半島を横断する形で徒歩移動し、そこからフェリーでアラン島北端のフェリーターミナル、ロッホランザまで渡ると、フェリーターミナルからすぐそこにあるアラン蒸留所のツアーまで済ませてしまおう、というものです。
 宿も、フェリーターミナルと蒸留所のちょうど中間に位置するユースホステルを予約していたので、単純に移動日と捉えるならば、そんなに急ぐ必要も無い。しかし、蒸留所見学まで済ませようと思ったら、13時半までにアラン蒸留所に到着しなくてはいけない。(いま蒸留所のHPを確認してみたら、通常のツアーは11時45分と14時半の2回のみ、に変更されていた。私の訪れた当時は1時間に1回くらいはツアーを行っていたのだが…)。少しでも早く宿を出たいというのはこのためで、おかみさんが作ってくれたブレックファーストをもぐもぐ食べると、すでにパッキングを終えていた荷物を担いで、さっさとチェックアウト。足早に去ろうとすると、おかみさんが「あげるわ」とビニール袋に包んだお菓子をくれる。満面の笑みでそいつを受け取ると「(街の)下まで送るわよ」と、車まで出してくれるという。こちらのB&Bは街の中心部から少し離れた位置にある丘の上にあり、おかみさんが車で中心まで送ってくれるのであれば、こんなに助かることは無い。
 こちらのおかみさんにはホントによくしてもらったのだが、送ってもらう車内で「あなたはどこから来たの?」と訊ねられて初めて、そういえば事務的なやりとり以外は殆ど会話をしていなかったな、と気付かされた。
 中心部につくと適当なところで車を止め「気をつけてね」と私を送り出してくれ、私は紋で切ったようなお礼の言葉しか発することが出来ず、この恩はいつか必ず、といやに別れの感傷にひたりながらバスへと乗り込みます。

 バスは1時間ほどで私をレッドハウスまで運び、この日一番の問題はここから。キンタイア半島横断である。
 というのも、このルートにバスは無く、およそ5マイルほど。徒歩だと2時間の行程を、荷物をフル装備した状態で行かねばならぬのである。
 
 とは言え、私も今まで数々の辺鄙な場所にある蒸留所を訪れてきた身。歩くのには多少の自信もついたことだし、歩けない距離ではあるまいと、バスの中でうつらうつらしていた頭に気合いを入れて歩き始めます。

 しかし、この道程がなかなかに辛かった。元々の荷物に加え、アイラフェスの熱狂で買ってしまったボトルが2本加わったバックパックは、容赦なく私の両肩に食い込んで行き、さらに、地図上では分からなかった道路の起伏は想像していたより激しく、出発から30分も経たずして「こいつは無理かもな…」と私は途方に暮れていた。車が通れば親指を立てようとも画策していたのだが、朝一ということもあってか車自体が通らない。「あかんわ…舐めとった…」と、なぜかエセ関西弁でひとりごちながら、進むことしばらく。ひーこら言っている間に、だんだん身体も起き始めたのか、なんだか歩けるような気がしてくる。よしよし、とノってきた身体を意識しながら、ついには最後まで歩き通し、予定の2時間を越えることも無くフェリーターミナルまで辿り着くことが出来た。結局、地獄のような高低差は最後まで続いていた。しんどかったなー。

(やっとの思いで辿り着いたクラオナイグのフェリーターミナル。道が海に向かって途切れている)

(時間が来ると、ご覧のようなフェリーがやってくる。例によってフットパッセンジャーは私だけだった)

 フェリーはわずか30分ほどでロッホランザに到着。ルイス島からスタートしたアイランドホッピングだが、遂に最後の島、アラン島へ上陸である。

(ロッホランザに到着。蒸留所とホステル、ホテル、城跡の他はなにもない町だ)

 アラン島に到着した私は、お腹も空いていたし喉も乾いた。キンタイア半島横断の時に手持ちの飲み物を飲み尽くしてしまっていたので、とりあえず何か食料品を買えるところを、と周りを見渡すも何もない。スーパーも無ければポストオフィスも無い。フェリー乗り場にもパンフレット位しか無く、仕方がない。まずはホステルに行って荷物を置かせてもらおうと思うも、ユースホステルは17時にならないと開かない。しまったなぁ、と思いつつも、ふらふらしているうちに、あっという間に蒸留所に到着です。

 休む間もなく目的地へ到着してしまったので、そのままツアーに参加したのですが、そのツアーの内容は次回に持ち越すとして、今回はロッホランザの様子を写真でご紹介します。

(雄大な山々と入り江へと流れ込む湾の美しさはとても気持ちがよかった)

(ご覧の通り水もとてもきれい)

(ランドマークでもあるロッホランザ城。中にも入れます)

(ホントに雄大な景色)

(蒸留所見学を終え、試飲のウイスキー以外は未だに何も口に出来ていなかったので、ロッホランザに唯一あったホテルのパブへ。モルトは花動やレアモルトなどUDのものが多く揃っていた)

(注文したバンガー&マッシュ。野菜がたくさん乗ってるのは嬉しいのだが、なんか思ってたのと違う…!もっと腹一杯食べたいんだよ!)

(パブを出ると夕焼け)

(羊の親子が夕日に向かって歩いたりしていた)

(蒸留所にも夕日があたりいい雰囲気)

 というわけで、次回はアラン蒸留所をご紹介です!

#Isle of Arran

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