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スピリット・オブ・スペイサイド 2017 その5

2017.4.30 ~ 5.2

 ロセスから一度ダフタウンへ戻ってまいりました。

(ダフタウンにあるアイスクリーム屋さん。ご覧の通り、ウイスキーフレーバーのジェラートが食べられる。私は「バルヴェニー ニューメイク」を使用したジェラートと「マッカラン シエナ」をダブルで。美味しかった!)

 私が一旦ロセスまで帰って来たのには訳があります。それは、今朝は朝一で出て行ってしまったため見ることができなかった、ダフタウンウイスキーショップを見る、ということ。スコットランドを代表するリテイラーの一つであるこちらのウイスキーショップ。店内はウイスキー好きにはパラダイス。あれやこれや並んでいるボトルも目移りしますが、それに加えてGM社が試飲会を開催していて、好き勝手飲めるようになっていた。私は、次のツアーに備えて、一杯だけいただいて、その場にいた皆さんの輪に加わらせてもらう。話題は、ウイスキー業界を取り巻く需要の傾きについて。コレクターやドリンカーなど各々の立場でわいわい言っていて、あけすけだなーと思いつつも、その熱量の中にいるのは心地よかった。
 適当なタイミングで店を後にし、今度はそこから徒歩30秒の位置にある「ウイスキーミュージアム」へと。前回来た時はこんな施設なかったように感じるので、ここ最近でできた施設なのかもしれない。大層な響きではあるが、中を開けて見ると一部屋にウイスキー関連の資料がポツポツと展示されているだけの非常に小規模なものだった。ボランティアでやっている、というおばちゃんとおしゃべりをしながらぼちぼちバスの時間、バス停へ行きます。

 次の目的地はマッカラン蒸留所。マッカランへは、ダフタウンからフリーのシャトルバスが出ています。このバスってやつが曲者で、いわゆるワゴン車のようなタイプ。一目でバスとは判断できないようなものなのだ。今回も、私以外に乗客はいなかったようで、時間になって周りをきょろきょろとしながら出て行こうとした車を発見し、まさかアレじゃ、と声をかけてようやく乗せてくれた。あのまま声かけなければ置いてけぼりを食うところだった。

 運転手のおばさまは非常に朗らかな方。「あら、あなたバスを待ってたのね」なんてとこから、ロンドンに住んでるっていう息子さんが休みになっても全然帰ってこないで、遊び呆けている話なんかを聞きながら「若者なんてそんなもんでしょー」なんて、楽しかった。このシャトルバス。てっきりマッカラン蒸留所が出しているのかと思っていたのだけれどそうではなく、マレイツアーズというツアー会社がマッカランに頼まれて出しているということ。おばさまも、てっきりマッカランの職員さんが駆り出されているのかと思ったが、実際はプロの運転手さんで「もうフェスの間は忙しすぎるわ!」と大げさに疲れた顔をしていた。
 
 蒸留所についた後も「帰りは何時くらいになりそう?どこまで行くの?ならその時間には私ここにいるから、終わったら声かけてねー」と。明るい運転手さんのおかげで楽しくマッカランまでたどり着くことができました。

 マッカランはツアー、テイスティング共に、何ら真新しいことがなかったのだけれど、やはり気になるのは現在絶賛建設中のマッカランの新蒸留所のこと。2014年からスタートしたこの新蒸留所の建設。今年2017年には完成予定で、来年には見学も開始するという話ですが、この施設がとにかく巨大。ダフタウンではよく口の端に上がる話題だったのですが、24基のスチルの増設と1,600万リッターもの生産量を目指すこの新蒸留所が、果たして現行のマッカランと同じようなキャラクターのスピリッツを作ることができるのでしょうか。そして、そこで作られたモルトは「マッカラン」名義で出されるのでしょうか。同一敷地内ではありますが、見たところ製造棟は完全に別れている。これは「シングルモルト」の定義に治るものなのかどうか。色々と疑問はありますが、この新蒸留所がデカい変革であることは間違いないかと思います。どうなるか楽しみにしながら、蒸留所を後にします。

 約束の通り、駐車場で待っていてくれた彼女の車を発見し、どうやらピックアップするのも私だけのようなのでちゃっかり助手席に座らせてもらって、次に目指すはクリゲラヒーです。
 
(目的は、ご存知スコットランドの名店、ハイランダーインです)

(間の悪いことに、今回も皆川さんがお休みのタイミングで来てしまった。まだ一度もこちらでお会いできていない)

 ウイスキーとチェイサーでビールを一杯やりながらわいわいやっていると、後ろのテーブルから日本語が聞こえる。しばらくは黙っていたのだけれど、タイミングをみて話しかけて見て、一緒になってお話。久しく心置き無く日本語で話すことができて楽しかった。スコットランドに旅行中のご夫妻。何でもこれが、フェスのタイミングだということは全く知らずに来たということで、嬉しいやら迷惑やらで大変そうだった。明日もどこへ行こうか迷っているというので、希望を聞きながらあーだこーだ言っていたら、折角だから、明日一緒に行きましょうか?ということになり、旅は道連れ、明日朝の約束をして別れます。

#Macallan

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