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ウィスキーのテイスティングノートの紹介ブログ。 一期一会な一本、一期一酒を求めて今日も・・・飲む!
2010.12.21【日記】
シーバスリーガルの見分け方
今日のお題はいまや自称スコッチのプリンス、シーバスリーガルです。
唐突ですね?いやいや、ちょっと私用でUPすることになりましたので、気にしないでください。
シーバスリーガルは、現行品は相変わらずダメダメですが、オールドボトルはオールドパー(もちろんオールドボトル)のようなどっしりした味ではなく、
芯の強さがありながら華やかな味で、カラメルの中に麦やフルーツ系のモルティな甘みもあります。
中でも1970年代以前は旨いですね。1980年代、それも特級表記のみの末期のころは、やはり現行よりの味がします。
それでも現行品からすれば十分旨いのですが・・・
さて、オールドボトルの基本ですが、ボトルによって違いはありますが、基本的には
・43度 750ml 1990年代(現行でも並行品等)
・43度 750ml 特級 1980年代
・43度 760ml 従価特級 1980年代初期(モノによっては1970年代後期も含む)
・86proof 4/5Quart シールで従価&特級表示(1970年代)←ただし正規品でなく平行品の場合80年代でもこの表記あり。
また、上記にJAPANTAXないし通関印があれば1960年代~1970年代初期(通関印の日付も参照)
となります、ただし特級表示は当時日本に入ってきていたボトルにのみつきますので、
例えば海外品がお土産で入ってきたりしていると、付いていないものもあり、これは基本情報を基礎として、
ボトルごとのラベル遍歴などの情報や、経験で見分けていくしかありません。
しかしシーバスリーガルについては1990年代に大きなラベルチェンジがあって以来、大きなデザインチェンジが無いのでわかりづらいのです。
シーバスは海外流通品が多く、お土産や平行品としてかなりの数が入ってきているため、ウィスキー特級、従価、JAPANTAXというわかりやすい仕様のものは少ないです。
760mlや4/5QUART表記でも90年代品があったりするトラップぶり、ネットにもこれといった解説をしているサイトはないですし・・・
オークションを見ていても売り手が積極的にアピールしていなかったりして、逆に言えばわかっている人は“おいしい”お酒かもしれません。
そこで今回は・・・完全独学なので間違っているかもしれませんが、くりりん的シーバスリーガルの見分け方特集です。

まずは上の写真。
ネットから拝借してきたシーバスリーガルのまとめ画像です。
現行品から1980年代後期頃のシーバスリーガルが並んでいます。
このうちどれが一番古いでしょうか、というところからはじめます。
②と④は現行品も現行品、まずは除外です。新しいラベルは肩ラベルが無いことに加えて、エンブレムも大きく違いいます。
残った①と③ですが、これは③のほうが古いと考えられます。(表面にウィスキー表記もあるので一目瞭然といえばそうなのですが、このウィスキー表記が無い①のデザインのボトルもあるので、無いものと考えてください。)下の写真のピンクの枠の箇所がポイントなのですが

ボトルの首の部分、馬に乗った騎士が書かれたイラストがある箇所がありますが、これが大きいほうが古いです。
さらにボトル裏面を見ますと、ネックの部分、①のほうは表から続くデザインが途中で途切れているのに対して、③は裏面までちゃんとデザインされています。
さらにさらに、このボトルにはバーコードがあります(下記参照)、このバーコードは横付きの0番のバーコードなのでアメリカ流通品であることがわかります。
日本における酒類に関しては一般に1990年ごろからバーコードが付きはじめますが、アメリカでは1980年代中頃くらいから付いていました。


参考:アメリカ向けバーコードの年代参考資料、リベット12年アンブレの背面ラベル
したがって、①はラベルチェンジがある直前頃、1990年代のボトル。
③は1980年代後期のボトルであることがわかります。
なお、①及び③のデザインで760ml、1140mlの容量のものが出てきます。
ヤフオク等では背面ラベルが写っていないときがあるので、表面のラベルだけで見分ける場合は、ネックの部分の騎士の大きさで見分けると良いでしょう。
しかし・・・ネックの騎士が大きくても40度だったりバーコード付いていて背面にウィスキー表記があったりと、古いものがほしい場合は油断できません。
さて、前置きが長くなってしまいましたが続いては1980年代と1970年代の見分け方です。
1980年代初期になると760mlや1140mlに43度、もしくは4/5QUART 86Proof表記が基本になり、背面ラベルのバーコードもなくなってきます。
背面にバーコードが無く、以下の写真のような背面ラベルでかつ760ml 43度に順ずる容量、ネックの騎士マークがデカイモノであれば1980年代初期と見ていいでしょう。

そして1970年代との見分けです。
この見分け方は、以下の画像、
左は1.14リッター86Proofのアメリカ品で1980年代(760mlモノでも1980年代は同様のデザインです。)、
右は4/5QUART 86Proofで・・・1970年代流通と思われるモノです。

良く見ると下の画像のとおりエンブレムが微妙に違います。
旗の形が違い、そしてライオンがこっちを見ています。(こっちみんな)
旗の下に書かれた言葉も違っていて、これが1970年代のボトルと思われます。

なお左のボトルデザインは中国向けの1979年を確認していますので、1970年代末期は流通しているのかもしれませんが、
右のラベルデザインのモノは1980年以降(例えばバーコード付きのモノや750ml仕様のモノ等)確認できていませんので、
70年後半あたりで微妙なラベルチェンジがあったものと考えられます。
あと上記以外にも、右のボトルのラベルは、ところどころに赤いラメがかかったような印刷になって入るほか、ボトルの底部分に小さなくぼみがあるなど、
同様のボトルを2本持っていますが、これも80年代以降との違いなのかも・・・と要検討項目としています。
というわけで、今回は志向を変えてくりりん的シーバスリーガルの見分け方でした。
前述のとおり完全独学なので、100%信用できるものではありません。また、ちげーよ!という意見があればどしどしいただければと思います。
唐突ですね?いやいや、ちょっと私用でUPすることになりましたので、気にしないでください。
シーバスリーガルは、現行品は相変わらずダメダメですが、オールドボトルはオールドパー(もちろんオールドボトル)のようなどっしりした味ではなく、
芯の強さがありながら華やかな味で、カラメルの中に麦やフルーツ系のモルティな甘みもあります。
中でも1970年代以前は旨いですね。1980年代、それも特級表記のみの末期のころは、やはり現行よりの味がします。
それでも現行品からすれば十分旨いのですが・・・
さて、オールドボトルの基本ですが、ボトルによって違いはありますが、基本的には
・43度 750ml 1990年代(現行でも並行品等)
・43度 750ml 特級 1980年代
・43度 760ml 従価特級 1980年代初期(モノによっては1970年代後期も含む)
・86proof 4/5Quart シールで従価&特級表示(1970年代)←ただし正規品でなく平行品の場合80年代でもこの表記あり。
また、上記にJAPANTAXないし通関印があれば1960年代~1970年代初期(通関印の日付も参照)
となります、ただし特級表示は当時日本に入ってきていたボトルにのみつきますので、
例えば海外品がお土産で入ってきたりしていると、付いていないものもあり、これは基本情報を基礎として、
ボトルごとのラベル遍歴などの情報や、経験で見分けていくしかありません。
しかしシーバスリーガルについては1990年代に大きなラベルチェンジがあって以来、大きなデザインチェンジが無いのでわかりづらいのです。
シーバスは海外流通品が多く、お土産や平行品としてかなりの数が入ってきているため、ウィスキー特級、従価、JAPANTAXというわかりやすい仕様のものは少ないです。
760mlや4/5QUART表記でも90年代品があったりするトラップぶり、ネットにもこれといった解説をしているサイトはないですし・・・
オークションを見ていても売り手が積極的にアピールしていなかったりして、逆に言えばわかっている人は“おいしい”お酒かもしれません。
そこで今回は・・・完全独学なので間違っているかもしれませんが、くりりん的シーバスリーガルの見分け方特集です。

まずは上の写真。
ネットから拝借してきたシーバスリーガルのまとめ画像です。
現行品から1980年代後期頃のシーバスリーガルが並んでいます。
このうちどれが一番古いでしょうか、というところからはじめます。
②と④は現行品も現行品、まずは除外です。新しいラベルは肩ラベルが無いことに加えて、エンブレムも大きく違いいます。
残った①と③ですが、これは③のほうが古いと考えられます。(表面にウィスキー表記もあるので一目瞭然といえばそうなのですが、このウィスキー表記が無い①のデザインのボトルもあるので、無いものと考えてください。)下の写真のピンクの枠の箇所がポイントなのですが

ボトルの首の部分、馬に乗った騎士が書かれたイラストがある箇所がありますが、これが大きいほうが古いです。
さらにボトル裏面を見ますと、ネックの部分、①のほうは表から続くデザインが途中で途切れているのに対して、③は裏面までちゃんとデザインされています。
さらにさらに、このボトルにはバーコードがあります(下記参照)、このバーコードは横付きの0番のバーコードなのでアメリカ流通品であることがわかります。
日本における酒類に関しては一般に1990年ごろからバーコードが付きはじめますが、アメリカでは1980年代中頃くらいから付いていました。


参考:アメリカ向けバーコードの年代参考資料、リベット12年アンブレの背面ラベル
したがって、①はラベルチェンジがある直前頃、1990年代のボトル。
③は1980年代後期のボトルであることがわかります。
なお、①及び③のデザインで760ml、1140mlの容量のものが出てきます。
ヤフオク等では背面ラベルが写っていないときがあるので、表面のラベルだけで見分ける場合は、ネックの部分の騎士の大きさで見分けると良いでしょう。
しかし・・・ネックの騎士が大きくても40度だったりバーコード付いていて背面にウィスキー表記があったりと、古いものがほしい場合は油断できません。
さて、前置きが長くなってしまいましたが続いては1980年代と1970年代の見分け方です。
1980年代初期になると760mlや1140mlに43度、もしくは4/5QUART 86Proof表記が基本になり、背面ラベルのバーコードもなくなってきます。
背面にバーコードが無く、以下の写真のような背面ラベルでかつ760ml 43度に順ずる容量、ネックの騎士マークがデカイモノであれば1980年代初期と見ていいでしょう。

そして1970年代との見分けです。
この見分け方は、以下の画像、
左は1.14リッター86Proofのアメリカ品で1980年代(760mlモノでも1980年代は同様のデザインです。)、
右は4/5QUART 86Proofで・・・1970年代流通と思われるモノです。

良く見ると下の画像のとおりエンブレムが微妙に違います。
旗の形が違い、そしてライオンがこっちを見ています。(こっちみんな)
旗の下に書かれた言葉も違っていて、これが1970年代のボトルと思われます。

なお左のボトルデザインは中国向けの1979年を確認していますので、1970年代末期は流通しているのかもしれませんが、
右のラベルデザインのモノは1980年以降(例えばバーコード付きのモノや750ml仕様のモノ等)確認できていませんので、
70年後半あたりで微妙なラベルチェンジがあったものと考えられます。
あと上記以外にも、右のボトルのラベルは、ところどころに赤いラメがかかったような印刷になって入るほか、ボトルの底部分に小さなくぼみがあるなど、
同様のボトルを2本持っていますが、これも80年代以降との違いなのかも・・・と要検討項目としています。
というわけで、今回は志向を変えてくりりん的シーバスリーガルの見分け方でした。
前述のとおり完全独学なので、100%信用できるものではありません。また、ちげーよ!という意見があればどしどしいただければと思います。
COMMENT
初めまして。
今飲んでるシーガスリーガルが3番のボトルっぽいんですが、バーコードは首にあるし、裏面のラベルにKOWLOON.HONGKONGって書いてあるんですけど、、、どうなんでしょうか??
>精神面からくるダメージのほうが大きいように思います。
くりりん様、それは無いですよw
丁度うちのダメシーバス呑みながら貴殿様のレスを拝見致しましたので・・・
でも、くりりん様のおっしゃる通りこの完璧な
琥珀色とは裏腹にあまりにも熟成を無視した有る種、現代的味覚極まりないこのドリンクは
本当にメンタル面で色々ヤラレますね。
でも、くりりん様の愛情有る解釈に本当に和み
ました。
シーバスはバランスの取れた スコッチウイスキーのプリンスの名に恥じない銘酒だと思いますしブレンデッドウイスキーの一つの指標となる
銘酒なのでこれに懲りずに頑張ります。
(何を?)
でも最近箱入り娘(お酒)の平置き店舗
目に余る光景です。
これ以上大量生産しないで
プロなのに・・・・
>美酒乱さん
成分分析をしたわけではないので、保証はできませんが、
体への害は無いでしょうが、精神面からくるダメージのほうが大きいように思います。
この手の酒の有効利用方法ですが、
梅酒、カクテル、色々試しましたが、完全にこの香りを消してくれるものはありませんでした・・・
強いて挙げれば、梅酒がそこそこまともに仕上がりましたが、
かすかでも気になることは気になります。
おとなしく破棄してしまうのが無難かと思います。
くりりん様
改めまして初めまして。
「プラキャップ臭」ですか。
憎いです。でもこの香りときたら何かプラの成分がアルコールに解けて有害物質でも抽出された感も致します。勿体無いので呑んでいますが
半分で限界です。やはり体に害が有る飲み物に
変身でもしたのでしょうかね?
またどうにかして、この臭いのついた酒は元に
戻らないかオークの木片チップでもボトルに
沈めようか迷ってしまいます。
いくらフランベとか料理酒に使うとしても
料理ばかり美味しくなるばかりで哀しいです。
くりりん様はこのようなダメオールドボトルの
中身をどのように有効利用なさっておりますか?
是非ともお知恵を・・・
>美酒乱さん
はじめまして。
コメント頂きありがとうございます。
まずシーバスリーガルの臭いですが、ご察しの通り、それはキャップ裏の樹脂が悪さをして、
いわゆるプラキャップ臭がついてしまってるモノの典型的な症状です。
これは保存状態によって左右されますので、那覇市回りのモノは状態が良かったのでしょう。
シーバスのオールドボトルはこのキャップを1960年代から採用していますので、だいたいのボトルはこの臭いにやられてしまっています。
そして、このキャップ臭の恐怖は、見た目にはほとんどわからないというところにあります。
コルクや金属キャップの臭いは、液面の低下やラベルの焼け具合等、保存状態を見ればなんとなく予測できるのですが、
プラキャップ臭は見た目保存状態完璧でもついてしまうモノで、私も何本ダメだったかわかりません。
当たれば本当においしいのですが・・・なんというか、ホント博打ですね^^;
追伸。
同じ特級表示で引き取り先が那覇市の物は
激濃厚で旨かったです。(これぞプリンス)
恐らく保管状況由来なのでしょうかね?
特級表示は博打ですねw
初めまして。
私も特級表示のシーバスリーガル12年43度
新年開栓しました。
でも何かキャップの内側の白いプラスチックの
香りが、お酒に染み付いてる味がしてとても
不味かったです。そういったテイストのお酒
なのでしょうかね?
>七夕DIVER様
ありがとうございます。
何本あったっけなぁ・・・って、さすがですね(笑)
ウチは実物が1980年代の1.14リットル、1970年代と思われる、”こっちみんなラベル”の
86Proof 4/5クオーター表記が2本です。そのほかのボトルもいっぱいあるので、
よほど掘り出し物でもないかぎりはこれ以上増やさないと思います。
是非今度写真見せてください。
ボトルの表面とビン底、そしてボトル裏側の設置面近くについている、
ボトル方向の認識用のでっぱりが見れるとサンプルとして情報が厚くなるなぁ・・・と
ようするに全部なんですがwww
>ハムチュさん
お役にたてれば幸いです。
実はまだ検討項目として上記に詳細は書いていないのですが
1970年代のこっちみんなラベルのほうが、騎士のマークの掘りが深く、マークの大きさが3mm大きいというのもあったり・・・
(そんなの手に取ってみてもなかなか気がつかないですがw)
しかしまぁ、1つのボトルに対してざくっとしたボトル遍歴だけでこれだけ書けてしまうのですから、オールドブレンドは深いです。
その時代に使われていたモルト、各蒸留所の状況まで網羅したら、ドツボにはまる研究になりそうです。
シーバスは80年代でも現行品より美味しいので、そのボトルも楽しみですね。
>ゴブリンさん
いやいや深くない深くない、その手の人たちから見ればまだまだ浅いよ。
むしろ1968って聞いて樽番でてくるゴブリンさんのほうが…w
俺の知識は基本ネットで調べられるモノのや、昔の酒辞典とかからの寄せ集めだから、
もっと深く濃くしていきたいわ。
これからもよろしく!
>へたれさん
箱も1970年代から、3~4回くらい変わってるんですよね。
今回箱についてもまとめようかと思いましたが、結びつけのくみ合わせが多くなりすぎるので止めましたw
ボトルごとの遍歴は、細部まで調べていくと研究室レベルの調べものになりそうです。
これじゃ学位はとれないでしょうがw
くりりんさん
いやー、勉強になります。すばらしい!
実家押入れに眠る70年代~80年代のシーバス、
見分けが付かず、放置しておりました。
今度棚卸撮影してきますね。
何本あったっけなぁ♪・・・
くりりんさん
情報、ありがとうございます。
いままで、エンブレムと760でオールドを判断していましたが、まだまだ奥深いということが分かりました。
最近購入したものは③のラベルデザインですが、残念ながら40度です。特級表示はあるので80年代後半くらいかなと思っております。後は飲んでみてのお楽しみでしょう。
これからも解説楽しみにしています。ありがとうございました。
くりりんさん
こんばんわ。
オールドのブレンデットは全然わからないので、
非常に勉強になりました。
いつもながら、その深い知識に脱帽です!!
これからもテイスティングとボトルの解説を
宜しくお願いいたします。
くりりんさん、こんばんは
ちょうど手持ちのシーバスが写真の1と「こっちみんな」ボトルであったためとても参考になりました。
手持ちボトルに二つとも外箱がついていたので改めて見比べるとかなり違う様子
調べていくとなかなか面白そうですね。