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ハウス・オブ・ピアーズ12年(特級)1980年代流通 43%

House of Peers
DOUGLAS LAING & CO, LTD
(ハウス・オブ・ピアーズ 12年)
 
12 Years old
750ml 43%

価格:平塚の酒屋で2000円で購入 
オススメ度(4)
☆☆☆☆
 


香り:ライト感のある香りだが、穏やかでまったりとした甘さがしっかり感じられる。
溶けたバニラアイス、ハニーシロップ、奥から僅かに植物系のトゲや、ニスのような引っ掛かり。
そしてオールド特有の僅かなヒネ。オールドブレンデット好きならストライクゾーンだろう。
 
味:オイリーな口当り、ヒネはそれほどなく、むしろグレーンのような甘さが主体で、キャラメルやバニラのような甘さがはっきりと感じられる。
序盤はスムーズだが中間からカラメルのような甘さと合わせて苦味、若干エグミのような植物系のフレーバーが混じり、
鼻抜けは甘さと余韻はオイリーで、ほろ苦い甘さが長く残る。
 


 
コメント:OMCで有名なダグラスレイン社が作っているブレンデット。その特級時代。
特級といっても通関コードが5桁の1万台であり、従価表示なしであることから86年~88年くらいのものと思われます。
 
ハウスオブピアーズは、イギリスの上院議会を指すのだそうですが、正式な名称はハウス・オブ・ローズというらしく、
これはまた別な会社が作っているブレンデットの名称になっています。高級感を出そうとしたんでしょうね。
主に南アメリカ向けの輸出商品らしく、言われてみればアメリカで人気があるJ&Bの特級は、ここまで甘さが濃くないものの、似た傾向があるなと感じられます。
 

ちなみにこのブレンド、ハイランドモルトを主体としかかかれておらず、キーモルトがわかりません。
ハイランドといわれてもスペイサイド地区まで含める考え方もあるので、広すぎます。
OMCやダグラスレイン社の解説を見ると、(以下、シングルモルトナビより)
 
“ダグラスレイン(DL)社は、戦争中に英国海軍で働いていたFred Douglas Laing氏が、1949年にスコットランド・グラスゴーでスコッチウイスキーのブレンダー兼スペシャリストとして会社を興しました。彼は卓越したブレンダーであり、キングオブスコッツ、ハウスオブピアーズ等のブレンデッドウイスキーの名品を世に出しました。素晴らしいブレンデッドウイスキーには、その原料である原酒、最良のモルトウイスキーの樽が必要で、彼は卓越したセンスで、素晴らしいモルトの樽を吟味し、購入していました。”
 
とのことで、当時はブレンドを目的として原酒を買い付けていたのがわかります。
1998年にはダグラスレイン社はOMCを発売、シングルモルトを重視し始めますので、
現在販売されているOMCの長期熟成等からキーモルトを推測すると、グレングラント、グレンファークラス・・・
グレーンの味が結構したように感じたので、グレーンはインヴァーゴードンあたりでしょうか。
ご存知な方、誰か教えてくださいw
 
 
 
余談ですが、ダグラスレイン社がシングルモルトにシフトした結果、現行品のハウスオブピアーズは以下のようになるわけですが(汗)
 
“ダグラスレインはボトラーの中でも膨大な樽を保有していることでも有名です。
定評が高いのは、ブレンド業もしているため、カスク選びの際に少しでも不満があると、ブレンドのほうに回して使えるため・・・。”

 
まさに没落貴族・・・そんな印象を受けてしまいました。

#ブレンデット

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