MENU

これまでのテイスティングノート37:ロングモーン 1968-1999 31年 シグナトリー #3164

 

ロングモーン LONGMORN 1968-1999 31yo Signatory Vintage 53.8% dumpy bottle
1968.6.18-1999.8.2
Cask No.3164
one of 185 bottles

・香り:
若干くぐもったもっさりした発香だが熟したフルーツが充実している。
桃、パイナップル、洋ナシ、アプリコットティー、ヴァニラ、カスタードクリーム、熟成年数の割にしっかりしたモルティ、干し草、時間が経つとグレープフルーツ、ややドライな印象、発香は時間と共に段々はっきりしてくる。

・味わい:
期待通りの濃厚で複雑な熟したフルーツ、アプリコット、桃、グレープフルーツのわた、ライチ、トロピカルもあるが自然にフルーティの一部を担っている、フルーティな鼻抜けが心地よい、紅茶、ヴァニラ、強いフルーティの中でも主張するモルティ、結構スパイシー、60年代ロングモーンらしく後半はどんどん膨らむ印象。ややオイリーでとろりと甘いがべたつかない、心地良い酸味、少し生の木を噛んだような渋味、非常に複雑で美味。ボディは厚め。

・余韻:
芳醇で複雑なフルーツがあり、けっこう陶酔感もある余韻。ピリッとしたスパイシーが長く続く。

・加水:
植物感とモルティさが強まる。結構味は変わるがこれはこれで美味。

・総評:
香りは最初ややくぐもった印象だが、味わいは素晴らしい。ナチュラルで複雑なフルーティで各成分を取り出しづらいほど。後半の広がりはまさに旨いロングモーン。

【Very Good】

ストックにしようと購入したところ、箱から取り出す時に液漏れしたため緊急開栓した60年代ロングモーン。開けてみると幸い状態は良好でした。派手な発香はありませんでしたが、明らかな過熟感はなく、モルティさも心地よく主張します。フルーツ感はトロピカルのある濃厚で複雑なものですが、非常にナチュラルです。
ケミカルなニュアンスの無いトロピカル感が、主張はするものの自然にフルーティの一部を担っているというのが、自分としては60~70年代のロングモーンらしい大きな特徴であると捉えています。
モルトにハマるきっかけになった蒸留所のひとつなので思い入れもありますが、私が姉妹蒸留所だったベンリアックよりロングモーンを圧倒的に愛していることを再確認した1本です。ニューリリースではちょっと押され気味ですね。70年代で過熟感の無いすごいものがリリースされることに期待です。

〈2012/4/27 whiskylinkに公開〉

2012/9/25  追記:
ロングモーンは大好きで、結構買っているのですがついついどんどん開けて飲んでしまうんですよね。自分にとってはトロピカル系でも他に替えがきかない蒸留所でもあります。
GMから一時期飽きるほどリリースが続いた時期がありましたが、パタッとでなくなりました。60年代の樽はもうほとんど出てこないんでしょうかね。出てきても相当過熟だと思いますし、こういうほど良い熟成感のものは大事に飲みたいですね。
このボトルはすぐに飲み切っちゃいましたけど。(笑)

 

 

#ロングモーン (LONGMORN)

この記事を書いた人