ストイックなドリンカーの日々 ~Drinker's Diary~

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モルトウイスキーをこよなく愛する男の日々のテイスティングや考えたことを掲載します。

2015.06.14【日記】

ニューリリース:キルホーマン 2008 7年 オフィシャル アイラフェス2015向け #245,449&450/2008

ついに下駄なしで評価できる一人前のキルホーマンが出てきました。

 KILCHOMAN 2008-2015 7yo OB FEIS ILE 2015 #245,449&450/2008

キルホーマン KILCHOMAN 2008-2015 7yo OB FEIS ILE 2015 #245,449&450/2008 58.2%
one of 742 bottles, Fresh Bourbon Cask


香りはシトラスと青リンゴ、うっすらと桃、カスタードクリーム、フレッシュな若葉、若々しい麦感、昆布のような海藻っぽいミネラル感、スモーキーで強いピート、飲むとキツさはなくじわじわと刺激、シトラスやグレープフルーツ、青リンゴ、フレッシュフルーツの甘味と酸味、こなれてきた心地良い麦感、やや鋭いピートがしっかり、フルーツとピートが共に残る余韻。

【Good/Very Good, Interesting】


今年のアイラフェス向けにボトリングされた,キルホーマン2008,7年熟成の3樽のヴァッティングです。

香りの第一印象でちょっとびっくりしてしまいました。
今までよほど強いシェリーカスクなどでないとキルホーマンにはルーチンで感じてしまっていた未熟香がほぼ感じられず,良いバーボンカスクで熟成したと思われるフレッシュな柑橘や青リンゴ,クリーミーなニュアンスも感じられました。
さすがに麦感はまだ若々しいですが,未熟な青草っぽさではなく若葉のような爽やかなグラッシーさがあり,海を感じる昆布のニュアンスやアイラモルトらしい強いピートがありました。

飲んでも香り同様に多彩な爽やかなフルーツが主張し,その印象のまま心地良い甘味と酸味が感じられました。麦感も香りよりもこなれており,余韻にはピートだけでなくフルーツもしっかり残っていました。

とにかくあからさまな未熟感が感じられず,かといってとってつけたような樽香でマスクしている様子もないナチュラルな香味だったのが印象的で,自然に熟成させてこの味が出てくるようになったんだなと強く認識しました。しかも,最長なら2005年蒸留の10年程度の熟成のものが使えるはずが,これは2008年蒸留の7年熟成というところも興味深いですね。単に熟成期間の影響だけでは無く,作り全体の経験に基づいた工夫の成果という気がします。

今までは,「キルホーマンにしては~」とか「若い原酒しかないんだから仕方ない」というスタンスで飲んでいた部分があったのですが,ついにそういうことを考慮せずに普通に飲んで評価できるボトルが出てきたことを,非常に嬉しく思います。



今回のキルホーマンを飲んですぐに思い出したのが,アイラフェス2006向けに詰められたボウモア1999,6年熟成です。
※はからずも,このボウモアもフレッシュバーボンカスク3樽のヴァッティングですね!
以前記事にした通り,このボトルを飲んで90年代蒸留のものにらしいフルーティがあって美味しいボウモアが帰ってきたことを強く認識したのですが,その後は素晴しいCPのテンペストのバッチ1や1993などのリリースもありましたし,平均的に期待通りに美味しいボトルがたくさん出てきました。
ボウモアとキルホーマンでは生産量が違いますから,美味しいものがコンスタントに出てきたときにそれが普通に手に入るかどうかは心配なところではありますが,今回のキルホーマンも同様に,これから何年かするとこういうボトルが当たり前のように出てくるようになるのではないかと思いました。

 

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T.Matsuki

フロアモルティング原酒が良いというのは,漠然とですがずっと言われてきたことでしたが,なかなか検証する機会はありませんでした。
今年はそれを考える良い機会が多そうですよね。

より複雑さがあり,熟成やボトリング後の経年変化でますます幅広い香味になるというイメージでした。

そして93ボウモアの時にフロアモルティング比率が高かったのではないかという話を聞いた時には,若くてもよりフルーティになるのかもしれないと思いましたが,今回のカーチェスを飲む限りは必ずしもそういうわけでもなく,よりわからなくなった部分もありますが,もっと飲み込んで,少しでも今よりも明確なイメージを持ちたいと思いました。

言われてみると,買って寝かせておきたいと思う蒸留所は,確かにフロアモルティングをやっているところが多い気がしますね。

  • Posted byT.Matsuki
  • at2015.06.14 19:36

先日飲み終えたロングロウ10年の1994ヴィンテージ表記もそうですし、ラフロイグのフェス、キルホーマンと、フロアモルティングについて考える機会が多い年ですね。

60年代の蒸溜はフロアモルティングの比率も高いため、瓶内で変化してフルーティで厚みのある味になるのかな、とも思います。
70年代と違うオールドピート感もそこ由来かな、という気もしますし。

スプリングバンク、ラフロイグ、ボウモア、キルホーマン、バルヴェニー、ハイランドパークあたりは瓶詰めや開栓からの時間が必要な気がしますが、当たりのボトルは良い方に変化しますよね。
93ボウモアが生産調整のため、フロアモルティング比率が高い説の信憑性を信じたくなってきます。
スプリングバンクやロングロウも将来に備えてさらに買っておこうかな、と思いました。

楽しみが増えました。

  • Posted by-
  • at2015.06.14 15:48
T.Matsuki

上記のボウモアと同様,今後も記憶に残るであろう1本でした。

生産量は多くないですが,きっと長熟用の作り分けはしているんじゃないですかね?仮にそうでなくても,実際長熟させてみたら美味しいというパターンもありそうですし,今後熟成を重ねたものが出てくるのが楽しみです。

ラフロイグのカーチェスのこともありますし,今年はフロアモルティングの果たす役割について考えさせられますね。良い印象はますます強くなっていきます。

今回のキルホーマン,私も思わず完動も入れてVGにしようかとも思ったのですが,同じアライフェス向けのラガがVG,カリラがG/VGにしていて,カリラと比べて美味しかったかというとさすがにそれはないなと思ったのでG/VGに留めました。今回はちょっと相対評価が入ってしまいましたね。(笑)

  • Posted byT.Matsuki
  • at2015.06.14 12:57

私もこれには興奮させられましたよ!
あらためて飲み直してみようと、国内に残っているボトルの在庫を探してまとめて注文したのはお伝えした通りです(笑)。

今年10周年を迎えて、長く熟成したものもあるはずなのに、シングルカスクでも3年や4年熟成のものが多く、その路線で行くのかなと思ってました。

以前NHKの番組で、ミドルカットを早めに終わらせることで、複雑さを捨てる代わりに、3年程度の短い熟成でも仕上がるものを作っている、と答えてましたしね。

でもそれは新しい蒸溜所が直面する、商品の熟成が長くなるまでに売上を確保するための施策で、きちんと長めの熟成用のウイスキーもつくってるんだな、と思いました。
ビジターセンターも規模を考えたらかなり充実してると聞きますし、安定した経営とものづくりの両立をしっかり考えているんだな、と感心しました。

自前でモルティングを行った麦芽のフェノール値は20ppmですし、ボウモアとラガブーリンの中間みたいなスタイルになっていくんじゃないか、と楽しみになってきました。

やっぱり自前でフロアモルティングをしている蒸溜所は違いますね。
今ももちろんですが、将来がとても楽しみで、未来を明るく照らしてくれるウイスキーですよね。
その点ではVGをつけたいボトルでした。

  • Posted by-
  • at2015.06.14 06:28

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