MENU

これまでのテイスティングノート30:ダルウィニー 1966-2002 36年 オフィシャル

 

ダルウィニー DALWHINNIE 1966-2002 36yo OB CASK STRENGTH 47.2%
one of 1500 bottles

 
・香り:
熟したオレンジ、アプリコット、プラム、ピーチ、ミント、濃いめの紅茶、ヴァニラ、湿ったようなモルティがしっかり、古い木材やレザー感や土も少し、奥にしっとりしたピート感がある

・味わい:
口当たりは滑らかだが重厚に広がる、オレンジやアプリコットなどを煮詰めたようなフルーティ、ミント強め、紅茶、非常に心地良いしっとりした麦感、後半は口内をコーティングされるようなオイリー、オールドボトルにあるような枯れたピートがしっかりあり、ピートには草っぽい印象を伴う。複雑で深く味わうほど繊細さに気付く。ボディはミディアム。

・余韻:
非常に長い。オイリーさを伴うスモーク主体の枯れたピート感が舌に長く残る。

・加水:
香りはオレンジが強まりフレッシュさが増す。味は青草のようなグラッシーな印象が出てくる。大崩れはしないが良くはならない。

・総評:
熟したフルーツと良い麦感と枯れたピート、これらが混在している。意外なほど主張するピートとオイルが特徴的。滋味深く非常に好きな味。

【Very Good/Excellent】

何年も前に飲んで感動して高値で購入し、温存していましたがついに開栓してしまいました。DALWHINNIEにピートやオイルのイメージはなく驚いたボトルでした。
長熟の割には樽がそれほど強くは出ておらず、適度にシェリーとバーボン両方のニュアンスがあり非常に複雑です。派手さはありませんがかなり味わい深く、バランスも良く、これもオフィシャルのヴァッティングの妙だと思います。

先日のブラインドテイスティングイベントで持ち込みましたが、会場の雰囲気的にはなんとなくぴんと来ないボトルという感じでした。いまさらですが、ある程度の量をもっと時間をかけて飲むべきボトルだったのかもしれません。
今回数年ぶりに飲みましたが、前回より繊細さを感じ、独特のピート感は非常に味わい深く貴重なものだと感じました。自分の嗜好と味わい方も年々飲むほどに変化しているのだと思います。前回より明らかに深く味わえました。温存しておいて良かった。さらに10年後に飲んだらどういう感想を持つんでしょうかね。
ちなみにこのピート感を踏まえ、ブラインドなら自分はオールドのグレンギリーと答えるのではないかと思います。

〈2012/2/13 whiskylinkで公開〉

2012/9/16  追記:
ブラインドイベントに持ち込んだ時の、出題者(私)と他のメンバーの温度差が忘れられません。(笑)
決して高評価されなかったことへの恨みつらみではなく、飲むときのコンディションが特に大事なボトルがあるということを強く認識したのでした。確かにあの条件下でブラインドで飲んだら、私もここまで高評価しなかっただろうと思いました。
それはSBTを続けて行く私のモチベーションにもなっていて、いつか、このボトルに適切な条件下でゆっくりもう一度深く味わってもらうつもりでいます。


 

#ダルウィニー (DALWHINNIE)

この記事を書いた人