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シグナトリー シュプリーム ピュアモルトスコッチウイスキー

非常に楽しく興味深いブレンデッドモルトです。

シグナトリー SIGNATORY "SUPREME" Pure Malt (2) シグナトリー SIGNATORY "SUPREME" Pure Malt (3)

シグナトリー SIGNATORY "SUPREME" Pure Malt Scotch Whisky 43%
bottled in 1997, one of 500 bottles

香りの最初は熟成感があり多彩、各要素がそれぞれ穏やかながら別個に主張してくるイメージ、洋梨や桃、青りんご、オレンジ、青いメロン、生姜、若さも伴う麦、バニラ、奥から香水っぽさもうっすら、飲むと香り同様の多彩なフルーツと一緒にパフュームも強めに感じる、コーヒーフレッシュ、カスタードクリームの甘味、麦の旨味と魚介ダシや醤油の旨味、淡くピート、クリーミーで長めの余韻、パフュームはほとんど残らない。

【Good/Very Good, Interesting】

シグナトリーが1997年にボトリングしたヴァッテッドモルト(ブレンデッドモルト),"シュプリーム"です。
なんと104種類のモルトがブレンドされており,ブレンド後にはシェリーカスクで6か月後熟されています。
割合はわかりませんが使われたすべての樽の蒸留所とヴィンテージが記載されており(写真右),凄いところだと,アードベッグ1967,クライヌリッシュ1965,グレンファークラス1959,ハイランドパーク1965,キリーロッホ1972,ラフロイグ1966,マッカラン1964,ローズバンク1960,スプリングバンク1969なんかが入っており,60年代,70年代のものを中心に非常に豪華な蒸留所名とヴィンテージが盛りだくさんです。また,90年代の若いものもいくつか含まれていました。
最近だとサマローリのブレンデッドがこんな感じでしたね。

さて,肝心の中身に関してですが,古いヴィンテージで熟成の長いモルトが多いためか,第一印象の熟成感は強く感じます。
熟成感のあるニュアンスを追いかけてくるように出てくる若さも感じる麦感は,90年代蒸留の樽由来なのかなとも思いました。
1997年のボトリング後そこそこの年月が経過しているにもかかわらず,まだまとまりがなく各々のに主張してくるような感覚を覚えました。
言ってみればソリストばかりのオーケストラのような印象で,この先時間とともに主張するソリストが交代しそうな雰囲気もありました。

あくまで想像ですが,感じた個性がどの樽由来なのかをリストから探す楽しさがあり,ブレンドとしての完成度が高いとは言い難いですが,飲んでいて非常に楽しかったです。

そんな中,現時点で特に主張が強い樽はエドラダワー1976ではないかと思いました。
特に味わいの前半に強めに感じるパフューミーさと,コーヒーフレッシュのようなクリーミーなニュアンスは,エドラダワー特有のものと思います。
エドラダワーが入っているのを知らないで飲んで,その後リストから探して見つけてますから,その樽由来である可能性は高いんじゃないでしょうか。
なお,特徴的だったパフュームは口に含んで前半は結構主張してきますが,他の樽の主張があるためか後半から余韻にかけては不思議なほど気になりません。

熟成感もあり,上記のとおりテイスティングが非常に楽しいボトルで,思わずおかわりしてしまいました。
これからソリストが変わるかもしれませんし,また飲みに行きたいと思います。

このボトルは,三越前のIANさんでいただきました。
IANさんは7月に4周年を迎えられました。おめでとうございます。

#ブレンデッド・ヴァッテッド (blended or vatted malt)

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