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プチSBT from naoskprsさん

モルト仲間のnaoskprsさんと以前から定期的にやっているプチSBTですが,新しいサンプルが届きました。

 

※写真撮り忘れのため画像はこんな感じという参考です。
 
 

(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)

・プチSBT from naoskprsさん

・香り
良いオールド感,グレープフルーツのわた,洋ナシ,少し桃,シードルのようなリンゴ感,淡く枯れた植物感,しっとりしたモルティ,奥にタールっぽさも伴うオールドピート。
 
・味わい
穏やかな口当たり,グレープフルーツのわた,シードル,洋梨,さらりとしているが舌にしみ込むようなテクスチャー,こなれた麦の旨味,少し粉っぽい凝縮感,上品な甘味と酸味,しっかりめのブリニー,後半にオールドピート。
少し抜けた感もありボディはそれほどないが,とても心地良い余韻。
 
・総評
非常にフルーティで美味なオールドボトルの印象。オールドピートも奥から主張してきた。
ボトリング後にかなりの年月を経たボトルと思われ,ボディが若干抜けたような印象もあったがコンディションは良さそう。
グレープフルーツのわたのニュアンスを伴う多彩なフルーツ感が魅力的だった。
 
オールド感とピートのニュアンスからは70~80年代にボトリングされたオールドボトルと思われ,蒸留は60年代後半から70年代前半くらいだろうか。
残った麦のニュアンスからはあまり長熟とは考えにくく,短熟オールドの加水タイプ,昔のオフィシャルスタンダードボトルと予想。
上記のようなスペックのオールドボトルででこの系統のフルーツを感じるボトルとしては,グレンドロナック,オルトモア,カーデュ,ノッカンドゥ,スプリングバンク,ブルイックラディが挙がってくる。
もっとあからさまなピートがあればボウモアやラフロイグも候補に挙がるフルーツ感でもあるが,そこまで強くは無かった。
第一候補はバンクかドロナックで迷い,どれを第3候補にするかでさらに悩んだが,最終的にわりと特徴的に感じたシードルのニュアンスからブルイックラディにした。
 
【Very Good】
  
予想蒸留所:①グレンドロナック、②スプリングバンク、③ブルイックラディ
蒸留年:1970年前後
熟成年数:12~18年
度数:40~43%
カスクタイプ:複数樽のヴァッティング
 

 

以上のようなテイスティングと予想で回答メールをお送りしました。
 
正解は・・・、

 

 

 

 

ノッカンドウ KNOCKANDO 1979-1994 15yo OB 43%

オフィシャルのノッカンドゥ1979,15年熟成でした。
オールド感が結構あって,自分が思っていたよりもやや若いヴィンテージでしたが,スペックは概ね予想通りでしたし,蒸留所も上記のように途中まで候補に入れていたところだったので,だいたい納得の正解発表でした。

出題意図は,「麦感と瓶熟」で,ボトリング後に時間が経過したモルトに感じる舌にしみ込むような麦感に関するものでした。
「ニューリリースで今はそれほど美味しく感じなくとも,今後瓶内で時間が経つとこういう変化をして美味しくなるのではないか」
「こういうボトルはアタックは弱まっており,開けてから衰えるのも早いというイメージ」
とおっしゃっていましたが,私も全く同感です。

「しっとりと舌に染み込むような麦の旨味」って,好きですし私はテイスティングコメントでしばしば使うのですが,よくわからないと言われることも結構あります。
オールドの短熟ものに感じることが多く,麦感を残した短熟のボトルが瓶内で変化した結果としてでてくるテクスチャーなのだと思っています。

今回それをテーマに出していただき,実際に感じることができ,考察することもできましたので,非常に有意義な出題でした。

とても素敵なボトルをありがとうございました。

 

#ノッカンドゥ (KNOCKANDO) #SBT

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