MENU

ニューリリース:ベンリアック 1966-2016 50年 GM ケルティックラベル メゾンドウイスキー向け #606 54.3%

さすがメゾンの記念ボトル。スペックも香味もすごいです。

 

ベンリアック BENRIACH 1966-2016 50yo GM BOOK OF KELLS for La Maison du Whisky #606 54.3%
one of 87 bottles, 1st Fill American Hogshead

香りには少し硬さもあるが強めのリッチな樽香と濃厚な赤いジャムなどのフルーツ感、チョコレート、ハーブやクローブやシナモンといったスパイスなど多彩な香味があり、第一印象はGMケルティックのロングモーンとの共通点が多く感じられた。
飲むと香り同様の樽感とジャムっぽいフルーツ、そしてハーブやスパイスがあり、後半になってじわじわとベンリアックらしいトロピカル感が淡いケミカルさと共にあふれ出してくる。
度数落ちのホグスヘッドのようなフルーティさだけが突き抜けたタイプではなく、厚みもあってリッチな樽感も含めて多彩な香味。樽香は強いがアメリカンオークのためか渋味はそれほどなく、想像していたような過熟感もほとんど感じない。さすがメゾン。

【Very Good, Interesting】

フランスのメゾンドウイスキー60周年記念で87本だけボトリングされた、いわゆるケルティックラベルのベンリアック1966、なんと50年の熟成です。
度数もこの熟成年数では驚きの54.3%と残っており、きっとこの記念リリースのためにメゾンが買ってあった樽だと思われます。ちなみに現地で購入して1本約18万円ですが、人気とスペックを考えると安いと言えるかもしれません。いろんな意味で私には買えませんが。。。

このボトルは12周年を迎えた新宿三丁目のカルーソーさんでいただきました。
アウェーでのテイスティングですので、ややいつもとノートのスタイルが異なりますのでご了承ください。

上記のように非常に複雑で厚みのある香味で、らしいトロピカル要素も味わいの後半にしっかりと感じられました。度数落ちのプレーンホグスのような、ともすると枯れたような樽感とは対極のリッチな樽感でありながら、過熟感がほとんどなくきつい渋味も無かったのが非常に印象的でした。
記念ボトルですし、熟成年数を含めて高額ボトルらしいスペックを誇る酒である点はもちろんあると思いますが、そのために香味が犠牲になっていないすごいボトルだと思います。

そしてこんな仕上がりですからどんなスペックの樽だったのか非常に興味があります。
ファーストフィルのアメリカンホグスヘッド表記で、メゾンからの詳細な情報ではリメイドという文言も追加されているのですが、バーボンなのかシェリーなのかは記載がありません。
熟成が長くなるとある種のバーボン樽もシェリー樽っぽいチョコレート感が出てきて、両者の区別がつきにくくなるように思います。一時エージェンシーあたりからよくでてきた超長熟モルトのバーボンカスクは、私だけでなく信頼できるテイスター達もブラインドで普通にシェリーカスクと答えることがありました。
今回のベンリアックもケルティックのロングモーンと類似の樽感がありましたが、バリシェリーの同ボトルにありがちだった過熟感と強い渋味は伴っておらず、やはり違うスペックでバーボン系なのかなとも思うのですが、バレルではなくホグスとはいえ味のよく出るファーストフィルのバーボン樽で50年も熟成させて、こんなエグ味や雑味のない香味になるとは思えません・・。
そのあたりもメゾンマジックなんでしょうか。

いずれにせよ、60周年の記念ボトルにふさわしいすごいベンリアックです。

#ベンリアック (BENRIACH)

この記事を書いた人