2020.04.01【日記】

グレンドロナック 33年 オフィシャル 40%

やはり陶酔感のあるこの時代のドロナックシェリーの味です。

 

グレンドロナック GLENDRONACH 33yo OB 40%
MATURED ONLY IN THE FINEST OLOROSO SHERRY CASKS



香りは素晴らしいシェリー感、巨峰の果汁感もある強いフルーツ、高級なビターチョコレート、ブーケガルニ、アンティーク家具のウッディネス、腐葉土、陶酔感あり。
飲むと滑らかで芳醇、ブドウを皮ごと噛んだような果汁感のある甘味と引き締めるタンニン、高級なウッディネス、土っぽく芳醇で長い余韻。

【Very Good/Excellent】


オフィシャルのグレンドロナック33年熟成。
2006年に交代したマスターブレンダーのロバート・ヒックスのクレジットがあるボトルですので、それ以前のボトリングということになります。
逆算すると1973以前の蒸留ということになり、突き抜けた素晴らしいオロロソシェリーカスクとして知られる、1971、1972などのオフィシャルボトルと同時期の樽と思われます。

以前にも何度かいただいたことのあるボトルですが、やはり70年代前半の素晴らしいドロナックのシェリー感が十分に感じられ、加水のためか果汁感はさらに際立っており、上記の通りの多彩な香味で素晴らしい陶酔感でした。

40%に加水されたボトルですが、濃縮感のあるフルーツと高貴なウッディネスなどが味を深めており、以前に飲んだ時よりも度数以上の濃縮感とボディが印象に残りました。

この年代のドロナックは実際に普通にはとても開けられないほど高額で取引されるようになっていますが、わかりやすい高級感のあるボトルでした。
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2020.03.27【日記】

スプリングバンク 1970-2003 33年 アデルフィ #1622 54.4%

期待通りの素晴らしい陶酔感でした。

 

スプリングバンク SPRINGBANK 1970-2003 33yo ADELPHI #1622 54.4%


香りは陶酔感のあるシェリー。イチゴを含むベリージャムとわずかに香木の高貴なウッディネス、淡くアマレット、熟成感と凝縮感が強く感じられる。
飲むと滑らかでとろけるような口当たりから芳醇に広がる。濃厚なベリー系のフルーティと引き締める高貴なタンニン、ミント、土っぽいピートやレザー、後半には塩気もあり、長く陶酔感のある余韻。

【Excellent】


アデルフィが2003年にボトリングしたスプリングバンク1970、33年熟成のシングルカスクです。
ラベルも文字も小さく、情報量も少なく愛好家泣かせのボトラーですが、アデルフィは昔から好きで、なんだか飲むときはドキドキしてしまいます。

今回は、バーにご無沙汰してしまい、危なく飲み損ねるところでしたがラストショットをいただきました。
本領発揮するのに特に時間がかかることの多いシェリーカスク・カスクストレングスのスプリングバンクでしたが、さすがに全開でした。

上記の通り期待通りのベリー感たっぷりのシェリーカスクで、複雑さや深みがあり、長期熟成ですがウッディネスがうるさいところもなく、原酒の個性も保たれています。

すでに素晴らしいシェリーカスクのスプリングバンクについてはここでは語りつくした感もありますが、まさにその通りの仕上がりで、すばらしい陶酔感でした。

オフィシャルでもシングルカスクやヴィンテージ表記のものが多く、また同年代のスプリングバンクにはオフィシャル、ボトラーズ問わず名品が多いですが、同系統のものが多く、オフィシャルとボトラーの違いが最も少ない蒸留所だなと改めて感じました。


 
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2020.03.22【日記】

アードベッグ 1975-2002 26年 ウィルソン&モーガン 46%

このスペックの70年代アードベッグも欲しくなる味ですね。

 

アードベッグ ARDBEG 1975-2002 26yo WILSON & MORGAN 46%


香りはクールでスモーキー、熟したシトラス、塩素や金属っぽさ、モルティさもしっかり主張、潮の香り、奥からゆっくりとバニラクリーム。
飲むとじわじわと刺激もあり媚びない味わい。染み込むような旨味を伴うテクスチャー、香り同様に柑橘と金属感、そしてスモークもしっかり、砂利っぽいミネラルとピートが長く残る。

【Very Good】

ウィルソン&モーガンが2002年にボトリングしたアードベッグ1975,26年熟成で46%に加水されています。

まさに個性的だった70年代アードベッグというクールでミネラリーな香味ですが、このボトルは加水なのが素敵だと思いました。

樽も効きすぎておらず、加水でボトリング後18年程度経過していることも影響してか、麦芽の旨味、柑橘系フルーツと個性的な砂利っぽいミネラルと煙いピート、これらが一体化して染み込むような美味しさでした。

プレーン系の樽感だとなかなか瓶内変化が感じにくいですが、加水によって飲み頃になったという印象の70年代アードベッグでした。


 
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2020.03.17【日記】

スキャパ 1983-1994 ゴードン&マクファイル 蒸留所ラベル 43%

飲み頃感たっぷりでした。

 

スキャパ SCAPA 1983-1994 GORDON&MACPHAIL Distillery Labels 40%


香りは優しいシェリー感、グランマニエのような甘やかさ、焦がしたモルト、少しカラメルもあり天津甘栗も感じる。
飲むと少しトロミがあり滑らか、優しい甘味とうっすらと塩気、じわじわと麦芽の旨味。ボディは軽めだが心地良い余韻。

【Good/Very Good】


GMが蒸留所ラベルでボトリングしたスキャパ1983、1994ボトリングでおよそ11年熟成。
加水でボトリングされています。

加水40%調整で、ボトリングから25年以上経過しているためか、結構こなれていてとても優しい香味でした。

80年代のシェリー樽で90年代ボトリングなんて、印象的には正直あまり買おうと思わないスペックです。

実際、詰めたては余り個性もないボトルだった可能性が高いと思います。

とはいえ、ボトリング後の時間経過でトロミや滑らかさが出てきたのと同時に、恐らく引っかかる香味がそぎ落とされています。

また、天津甘栗のようなニュアンスは新しいモルトに感じることの少ない個性でもあり、瓶内変化で後から出てきたのだと思います。

それでも複雑なモルトとは言い難いですが、明らかに飲み頃と感じられ、こなれた優しい旨味もあって飲み心地が良かったです。

今となっては贅沢ですが、こういうものをダラダラと飲む時間は幸せでしょうね。

 
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2020.03.12【日記】

現行:キルケラン(グレンガイル) 12年 オフィシャル 46%

現行では秀逸なスタンダードモルトだと思います。

 

キルケラン KILKERRAN (Glengyle) 12yo OB 46%


香りには良い意味の雑さがある。オレンジオイルとしっかり旨そうなモルティ、ミネラルと強めの潮風。
飲むと穏やかだが芳醇さや多彩さがある。凝縮した柑橘、旨味のあるモルティと心地良い甘味、塩気がしっかり、オイリーで長めの余韻。

【Good/Very Good, interesting】


現行品として流通している、グレンガイル蒸留所のオフィシャルボトル、キルケラン12年です。
原料はスプリングバンクでフロアモルティングした麦芽を使っています。

麦芽由来だと思いますが、前に紹介した2004年蒸留のものより明らかにスプリングバンクに感じがちな機械油の主張はあります。
しかし蒸留の影響かピートは少なく、現行のスプリングバンクより飲みやすいです。

そして何より、スプリングバンクと同様の旨味の濃いモルティさと、キャンベルタウンらしいブリニーな個性がしっかりと感じられました。

生産量は少ないですが、キルケラン12年は手に入りづらくなったスプリングバンク10年よりも安価ですし、普段飲みにも使える秀逸なスタンダードモルトだと思います。


 
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2020.03.07【日記】

オールドミドルトン 1967 35年 オフィシャル ブレンデッド 41.1%

期待通りのトロピカルオイリーでした。

 

オールドミドルトン OLD MIDLETON 1967 35yo OB Blended Whiskey 41.1%
one of 282 bottles



香りは熟成感しっかり。弾けるようなフレッシュさを残したマンゴーなどのトロピカルフルーツと淡くグァバの紅茶、フルーティでオイリーで陶酔感あり。
飲むと滑らかな口当たりでオイリー。香り同様のトロピカルフルーツやグァバティー、甘味にはしつこさがなく品がある。ボディは不思議に軽いが心地良い。

【Very Good】


旧ミドルトン蒸留所が1967年に蒸留したモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作った35年熟成の特別なアイリッシュブレンデッドウイスキーです。
通常ブレンデッドウイスキーは、熟成した原酒をボトリング前にブレンドして作るのですが、これはニューメイクの段階で一緒に樽詰めして35年も熟成しているという特殊な仕様です。

35年熟成で度数も下がっており、さすがに強い熟成感があります。

そしてこちらも期待通りですが、マンゴーやグァバといったトロピカルフルーツの香味がかなり突き抜けて感じられました。

加えてアイリッシュらしいオイリーさもありますが、甘味はべた付かず品がありました。

熟成も長く度数も下がっておりボディも軽めではありますが、枯れて抜けたモルトというわけではなく、きちんとこれはこれで完成形として仕上がっていると感じられるアイリッシュブレンデッドウイスキーでした。


このボトルは、神楽坂のバーフィンガルさんでいただきました。

 
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2020.03.02【日記】

スプリングバンク 25yo オフィシャル 46% 80年代流通

さすがに突き抜けた素晴らしさでした。

 

スプリングバンク SPRINGBANK 25yo OB 46%
one of 333 bottles, 1980's bottling



香りは強く素晴らしい陶酔感がある。はっきりとイチゴジャム、こなれたモルティ、少し土っぽいピート、華やかで突き抜けている。
飲むと滑らかなテクスチャーだが度数より濃いめの主張があり、強烈な陶酔感がある。香り同様にイチゴジャムがしっかり。コクのある甘みと穏やかな渋味、気持ち良い塩気、余韻は少しピーティで長く、陶酔感がある。

【Very Good/Excellent】


80年代に流通したと思われる、スプリングバンクのオフィシャル25年です。
同ラベルの21年は何回も飲んだことがありましたが、25年は初めてかもしれません。

逆算すると遅くても60年代蒸留の樽がつかわれていると思われますが、それに疑う余地がない素晴らしい陶酔感があります。

かの有名なイチゴジャムのニュアンスが、香りからも味わいからも探さずともはっきりと感じられ、素晴らしいシェリー感に加えてこなれて心地良いモルティやアーシーなニュアンスも感じられました。

テクスチャーにはベルベットのような滑らかさがありつつも、濃厚で芳醇な味わいが広がります。

後半にはハウススタイルの塩気も感じられ、渋味が淡いためかよりスムーズな飲み心地に感じました。

多彩な香味がハイレベルに主張しており、飲み応えも保たれているにもかかわらず、ノンストレスで飲めてしまうバランスのとれた構成なのも素晴らしいですね。

本数的にはシングルカスクなんだと思いますが、ヴァッティング+加水と言われたほうが納得できる仕上がりでした。

とにかくノージングしていてもテイスティングしていても、ずっと陶酔しっぱなしのようなモルトで、いい夢が見られそうな1杯でした。


このボトルは、神楽坂のバーフィンガルさんでいただきました。

 
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2020.02.25【日記】

ニューリリース:ラガヴーリン 21年 オフィシャル アイラジャズフェスティバル2019向け 50.9%

オフィシャル長熟のジャズフェス向け。さすがの仕上がりでした。

 

ラガヴーリン LAGAVULIN 21yo OB ISLAY JAZZ FESTIVAL 2019 50.9%
one of 2004 bottles



香りはプレーン系の樽感だが熟成感あり。凝縮したシトラス、こなれて旨そうなモルティ、強いが刺々しさのないスモークと海の香り。
飲むとほどよくこなれたテクスチャー、香り同様に凝集した柑橘、染み込むようなモルトの旨味、支配的ではないが強いピート、潮の香りと後味まで残るブリニーさ、余韻は長い。

【Very Good】


ラガヴーリンが昨年のアイラジャズフェスティバルの記念ボトルとしてリリースした、21年熟成のオフィシャルボトルです。
アイラフェスと比べると、わりとノンエイジとかのものが選ばれる印象だったジャズフェス向けですが、今回は熟成の長いタイプでした。

飲むのが遅れて今頃のご紹介になってしまいましたが、次のジャズフェス向けはまだ出ていませんので、一応ニューリリースとしてご紹介します。

ディアジオさんが得意とする樽感は強くないのに熟成感はあるというタイプで、度数もほどよく落ちていますがそれ以上に刺々しさを感じません。

アイラの雄らしいピートと潮風が感じられるモルトでもありましたが、特に凝縮感のある柑橘と旨味が印象的でした。

個人的な思い入れもあり特に素晴らしかったバイセンテナリーのアイラフェス向け19年に近い香味だと感じ、非常に好きな味で、お代わりもして堪能させていただきました。

今年のリリースも楽しみです。


 
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2020.02.20【日記】

ニューリリース:キルケラン(グレンガイル) 8年 オフィシャル カスクストレングス 57.1%

やはり樽の仕様はスプリングバンクと共有ですね。欲しい。

 

キルケラン KILKERRAN (Glengyle) 8yo OB CASK STRENGTH 57.1%
one of 15000 bottles, Re-charred Oloroso Sherry Casks



香りは甘い黒糖や濃縮プラム、焦がしたモルティ、ハーブ、海藻系の磯っぽさ、ピートは淡い。
飲むと芳醇でリッチ、迫力もある、ジャムだけでなく蜂蜜も感じるコクのある甘味、味を深める渋味、塩気も樽に負けずに主張、余韻は長く心地良い。

【Good/Very Good, Interesting】


最近リリースされた、グレンガイル蒸留所のオフィシャルボトル、キルケラン8年カスクストレングスです。
何度かお伝えしたように、原酒はスプリングバンク蒸留所のフロアモルティングで作られた麦芽を原料にしています。
このボトルはどうやらヨーロッパ向けにボトリングされたようで、残念ながら正規で日本には入ってこないようです。

リチャードシェリーカスクで熟成された原酒のヴァッティングということでしたが、この表記の樽は以前にスプリングバンクで秀逸なシングルカスクを連発していたことはまだ記憶に新しいです。

同一資本ですので、恐らく使える樽の仕様も同様でしょう。

高まる期待の中で飲みましたが、それを裏切らない濃縮フルーツ系で嫌味の無いシェリー感でした。

原酒がやや若くそれなりに荒さもありますが、良い樽感が若さをしっかりとマスクしており、それでも原酒の個性は殺されていません。

スプリングバンクと比べると雑味やピートの主張が穏やかで、現時点でもかなり美味しくいただけますが、さらに今後の瓶内変化で一体感が増して荒さが取れると、往年の短熟シェリーカスクの素晴らしいボトルのようなニュアンスになるのではないかと思います。

そして、値段も£50-60台と抑えられており、ヨーロッパ向けのようですが15000本のアウトターンがありますので、少し高めの店からかもしれませんが、まだ探せば購入できるのではないかと思います。

久しぶりに、時間を作って海外から探して複数本購入したいと思えるリリースでした。

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2020.02.15【日記】

ニューリリース:キルケラン(グレンガイル) 2004-2019 15年 オフィシャル ウィスク・イー向け グレンガイル蒸留所15周年記念 52.0%

日本向けの記念ボトル、嬉しいですね。

 

キルケラン KILKERRAN (Glengyle) 2004-2019 15yo OB for Whisk-e to celebrate the 15th Anniversary of the opening of Glengyle Distillery 52.0%
one of 276 bottles, matured for ten years in a fresh oloroso sherry butt, followed by five years in a refill bourbon hogshead



香りはジャム系で強く甘い、黒糖やコーヒーリキュール、ハーブのニュアンス、奥から焦がしたモルティ、わずかに磯っぽさ。
飲むと滑らかで濃い味、濃縮フルーツと黒糖の濃い甘味としっかりめのタンニン、わずかなエグ味、遅れて塩気、余韻は長い。

【Good/Very Good】


前回、UKの小売店向けにリリースされたグレンガイル蒸留所の15周年記念ボトルが秀逸であったとご紹介しました。
それと同様に2004年の創業年に蒸留した15年熟成の樽が、日本の正規代理店であるウィスク・イーさん向けにボトリングされました。

樽は最初の10年をフレッシュオロロソシェリーバット、その後5年をリフィルバーボンホグスと、これまたちょっと珍しい樽使いです。
5年前に一体何があったのでしょうか。。

さて、肝心の内容ですが、UK向けとは異なりシェリーがしっかり効いているタイプで、熟成感よりも最初のオロロソカスクの樽感が前面に出ているようでした。

シェリー樽由来の渋味に加えて、少しエグ味も出ていることを加味すると、5年前に樽をリフィルのホグスに移したのは正解かもしれません。

樽が効いているとはいえ、そこはスプリングバンクでフロアモルティングをして仕込んだ原酒だけあって、原酒の個性も感じられます。

また、UK向けと同様、この時期の仕込みの特徴だったのかもしれませんが、スプリングバンクよりもピートは控えめでした。

荒さは多少ありますが充実感があって満足感の高いモルトです。

時間を置くとさらに良くなる可能性は高いと思います。

スプリングバンクの扱うちょっと私の苦手な系統のシェリーカスクではありませんでしたし、キャンベルタウンらしい味わいでもあり、やはりキルケランは今の私にとってテンションの上がるモルトです。

これからも日本向けのリリースが続きますように。

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2020.02.10【日記】

ニューリリース:シークレットスペイサイドディスティラリー 1994-2019 24年 酒育の会 #1408895 49.3%

樽の効いた華やかなタイプでした。

 

シークレットスペイサイドディスティラリー SECRET SPEYSIDE DISTILLERY 1994-2019 24yo "酒育の会" #1408895 49.3%


香りには熟成感と近年の華やかさ。洋梨とオレンジピール、バニラ、心地良いモルティとリッチなオーク。
飲むとオレンジオイルと淡くパイナップル、濃いめの抹茶のムース、しっかりとしたオーク、コクのある蜂蜜の甘味と味わいを深める渋味と木材感、余韻は長く良い。

【Good/Very Good】


私を含めて多くのモルト愛好家に尊敬されている、バーフィンガルの谷嶋さんを中心とした団体である、酒育の会でボトリングした蒸留所表記の無いスペイサイドモルト、1994ヴィンテージの24年熟成です。
ボトルの紹介文と、白洲次郎さんと思われるラベルから察するに、ブローカーやボトラーに流れたバーボン樽のマッカランだと思われます。

マッカランというとシェリー樽のイメージの強い蒸留所で、オフィシャル外に流れるバーボン系の樽は、主にフェイマスグラウスなどのブレンデッドに使われるような樽だと思います。

ですので、しっかりした樽感のついたものは珍しいと思いますが、このボトルにはかなり強くバーボン樽の影響を感じます。

香りからはバニラやオレンジ、強いオークなど、バーボン樽らしい要素に加えて、長い熟成を感じる洋梨などのフルーツもしっかり主張してきました。

飲むと香り以上にフルーツ感が強く多彩に感じられ、コクのある甘味が好ましい一方で、木材そのものを感じるような渋味を伴うウッディネスが若干ながら引っ掛かりました。

強い樽感に原酒が何とか踏みとどまっているという印象で、全体としては強くはっきりとした香味です。

奥ゆかしい中から探りながら味わうというタイプではなく、向こうからグイグイ来てくれるタイプのようで、多彩な香味ですが感じやすい要素が多いモルトだと思います。

酒育の会らしく、その香味から学ぶことの多いモルトではないでしょうか。


このボトルは、神楽坂のバーフィンガルさんでいただきました。


 
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2020.02.05【日記】

ニューリリース:クライヌリッシュ 1995-2019 23年 シグナトリー ウイスキーフープ向け #11251 56.9%

複数本買って飲みたくなりました。

 

クライヌリッシュ CLYNELISH 1995-2019 23yo SIGNATORY for THE WHISKY HOOP #11251 56.9%
one of 579 bottles, Refill Sherry Butt



香りには深みがあるシェリー感。ナッティでオイリー、ドライアプリコットやドライプラム、チョコレート、ワックスを伴うレザーや腐葉土のアーシー、ハーブやスパイスも感じる。
飲んでもリッチでトロミのあるテクスチャー、ジャムやドライフルーツ系の甘やかさに加えて引き締めるウッディネスとタンニンが味を深めている、甘やかでナッティな余韻は長い。

【Very Good】


ウイスキーフープがシグナトリーからボトリングし、昨年10月にリリースしたばかりのクライヌリッシュ1995、23年熟成です。
クライヌリッシュは同年にバイセンテナリーを迎えており、またこのボトルには運営側が特に素晴らしい樽と判断した和紙のラベルが使用されています。

リフィルで前に詰めた原酒の影響もあるのか、あまり近年のシーズニングらしいシェリー感ではなく、昔のもののような腐葉土やレザーっぽいニュアンスを帯びていました。
このニュアンスがあるシェリー感は近年では珍しく、シェリーカスクで美味しいものが多いフープのボトリングでもドロナック93や同じく和紙ラベルのハイランドパーク90くらいではないでしょうか。

上記の深みのある樽もよく効いているのですが、個性もある蒸留所ですから、期待通りそれに負けない原酒のワクシーでオイリーな個性も感じられました。

わりと現時点でも一体感があって仕上がっている印象で、今飲んでもかなり美味しいです。

個人的に好きな蒸留所で大好きなボトルも多いクライヌリッシュですが、個人的にはシェリーでない樽のほうが好みです。しかしこのボトルはそれでもかなり美味しいと思いました。海外に良い樽が流れがちな中、日本向けの最近のリリースでは特に優れたボトルだと思います。

ウイスキーフープはもともとバーのための団体ということもあり、最近のリリースは美味しいのですが価格帯や香味がバーで売りやすいタイプにシフトしているようにも感じていましたが、久しぶりに愛好家目線でも家で開けてじっくり何杯も飲みたいと思えるボトルでした。

 
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2020.02.01【日記】

ニューリリース:ベンネヴィス 22年 ウイスキーエクスチェンジ 51.6%

安定のフルーツ感でした。

 

ベンネヴィス BEN NEVIS 22yo THE WHISKY EXCHANGE 51.6%


香りは重く甘く多彩、パイナップル系のトロピカルフルーツ、チョコレートとハーブ、オイリーで薬っぽいケミカル感を伴う。
飲んでも濃厚でリッチ。パイナップル、ジャム系のコクのある甘み、コクと同時にケミカルさと雑味あり。少し紙っぽさ。カオスのような味だが余韻は長い。

【Good/Very Good】


ウイスキーエクスチェンジから最近リリースされた、22年熟成のベンネヴィスです。
アート系ラベルですが、正面がわかりません。(笑)

全体的に重く濃厚なテクスチャーで、ベンネヴィスらしいケミカルで雑味や少し紙っぽいニュアンスも伴うトロピカルフルーツがしっかりと主張してきました。

個性的で最近のリリースでは期待というか想像をほぼ裏切られることがない蒸留所ですが、このボトルはさすがエクスチェンジのチョイスだけあって、特に果実感が強いようでした。

雑味や紙っぽさなど好みを分ける要素もありますが、それらが気にならない人にとっては突き抜けたフルーツ感を存分に楽しめる1本だと思います。

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2020.01.28【日記】

ブローラ 32年 オフィシャル 2011ボトリング 54.7%

ちゃんとブローラ味ですね。

 

ブローラ BRORA 32yo OB 54.7%
bottled in 2011, one of 1500 bottles



香りはクライヌリッシュっぽいアプリコットジャムと紅茶、ワックス、ブローラっぽい無骨なピートと塩素、非常にリッチ。
飲むとパワフルで芳醇。粘性があり期待通りオイリー、アプリコットジャムの甘味は濃いが品がある。モルトの旨味もありリッチ、しっとりしたピートがあり、獣っぽく長い余韻。

【Very Good/Exccellent】


2011年にボトリングされた、オフィシャルのブローラ32年熟成です。
逆算すると1979年くらいの蒸留ということになります。

アプリコットジャムの入った紅茶のような、クライヌリッシュのようなニュアンスがしっかり感じられる一方で、無骨で塩素っぽいニュアンスや強いピートの主張もあります。

口に含むと期待通り粘性のあるオイリーなテクスチャーで、やはりクライヌリッシュとブローラ両方のニュアンスがありました。

そして、リッチで濃厚ですがオフィシャルらしくどこか品のある佇まいの1杯でした。

ブローラは80年代に入ってから、1983年の閉鎖間際は特にですが、クライヌリッシュ感がかなり強くなるイメージです。

しかしこのボトルは70年代だけあって、クライヌリッシュまだ負けてないかつてのブローラの個性がしっかりと感じられ、楽しむことができました。

1972ヴィンテージなどまさにというブローラも好きですが、私はクライヌリッシュもかなり好きなのでこういうハイブリッドタイプも大好きです。


 
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2020.01.24【日記】

グレンファークラス 1975-1995 オフィシャル 43%

樽と瓶の中で作られた芸術品という感じでした。

 

グレンファークラス GLENFARCLAS 1975-1995 OB 43%
one of 1200 bottles



香りは少し高貴な感じと重さが同居したオールドシェリー。ブドウとブラックカラント、黒糖、奥から焦がしたモルティ。
飲むとスムーズで良い意味で少しザラつきのあるテクスチャー、加水のわりに濃い味、皮ごと噛んだ巨峰の果汁感とタンニン、余韻も心地良い。

【Very Good, Interesting】


1995年に加水43%でボトリングされたグレンファークラス1975、約20年の熟成で瓶詰めから約25年経っています。

70年代のシェリーカスクのヴァッティングと思われますが、60年代の樽に感じるような高貴なニュアンスが僅かながら感じたのが印象的でした。

皮ごと噛んだブドウのような甘味と渋味があり、かつ果汁感を残したフルーツ感も魅力的で、それでいてモルティさの主張もほどよくあるという、個人的にも好きなシェリーカスクの構成でもありました。

飲み応えもありますが、加水で低めの度数ということもあり飲み飽きせず、家で開けたらエンドレスで飲んでしまいそうです。。

特にシェリー感に関して、ちょっとスペックからは考えにくい要素を含んでいるのは、表記より古い樽がヴァッティングされているということも考えられますが、どちらかというと原酒のポテンシャルに加えて加水と経年変化が影響したものと考えます。

その結果として総合的に整っているといえるような仕上がりで、瓶内も含めた時間の作った芸術品というような印象を持ちますね。

そして、同様のスペックのものを10年前に飲んだ時には認識できなかったような良い要素を含んでいたことが心に残ったのでした。

当時のものと現在のシーズニングカスクには確実にある程度以上の違いがあり、詰めたてを飲んでいない私にはその違いは想像するしかありません。

それでもストックにあるシェリーカスクのウイスキー達が25年後どうなっているのか楽しみになるような1本でした。

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2020.01.20【日記】

ニューリリース:ロングロウ 21年 オフィシャル 2019年リリース 46%

ちょっと期待したのと違うタイプでした。

 

ロングロウ LONGROW 21yo OB 2019 RELEASE 46%


香りは力強くミーティ。かつおダシ、みりん、チョコレート、ドライアプリコットと潮風を伴う強めのスモーク。
飲むとプラムとチョコレートがけのドライオレンジ、肉とかつお節の併せダシ、旨味が濃く塩気も強い。こなれたニュアンスも伴うピート、スモーキーでダシっぽい余韻は長い。

【Good/Very Good】


ロングロウが最近リリースした、21年のオフィシャルボトルです。

スプリングバンクとは異なり、ロングロウは今までは18年までのリリースが続いており、私の知る中で唯一の21年が素晴らしかった2016年のスプリングバンクオープンデー向けのリリースでした。

そんなわけでプレーンな樽感で心地良く熟成したオープンデーの味を期待してしまったのですが、スプリングバンク蒸留所がわりとよく出してくるダシ醤油っぽさを伴うシェリー感を伴うタイプでした。

もちろんこの蒸留所らしい樽でロングロウらしい香味があり、ピートも少しこなれていて熟成感もあり、美味しいは美味しいのですが、勝手に期待値を高くしすぎてしまいました。

ロングロウはファンも多いですし、今回の香味はらしい方向性のひとつで世の中的には高評価なボトルのようですので、もちろんいまさら書くことでもないですが好みの問題です。

昔から時間経過で変化してくる蒸留所ですし、特にこの樽感ですから、時間が経ってからまた飲みたいと思います。

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2020.01.16【日記】

ニューリリース:グレンタレット 1989-2019 29年 シグナトリー ウイスキーフープ向け #237 43.6%

フルーティで儚いタレットでした。

 

グレンタレット GLENTURRET 1989-2019 29yo SIGNATORY for THE WHISKY HOOP #237 43.6%
one of 246 bottles, Hogshead



香りはエステリーで強い熟成感あり。非常にフルーティでしかも多彩。洋梨とオレンジのコンポート、熟しすぎたメロン。
飲んでも香り同様にエステリーで軽やか。メロン多めのミックスジュース、徐々にクリーミー、優しい甘味、ボディは軽く儚いが美しい余韻。

【Good/Very Good, Interesting】


シグナトリーがウイスキーフープにボトリングした、グレントタレット1989、29年熟成のシングルカスクです。
会員向けに昨年11月に頒布されました。

長い熟成を経ていますが、そこから想像する以上に度数が下がっているのが特徴的なボトルです。

そのことからある程度想像していましたが、想像以上に熟成感の強いタレットでした。

上記の通りエステリーかつ非常にフルーティで、香りからも味わいからも洋梨や柑橘、熟しすぎたメロンなどの多彩なフルーツが感じられました。

また、クリーミーなところは長熟タレットらしい個性が残っているようで、フルーティさとも良くマッチしていたと思います。

ボディは軽く余韻も短く、全体的には美しくやや儚い印象のモルトですね。

古くはダンカンテイラーのピアレスやロナック、近年だとエージェンシーの長熟によくあった、一般的な熟成のピークを過ぎてボディが枯れた代わりに突き抜けたフルーティさが出ているタイプと思われます。

とはいえ、どこまでの熟成感を良しとするかには個人差があり、こういう枯れ感の伴うフルーティさというのはボトラーズモルトの魅力のひとつでもあります。

私も、飲み始めた頃にこういう突き抜けたフルーティさに魅了された一人ですし、一時期は乱発されて辟易としていましたが、最近はこういうものが少ないですから存在価値も感じます。

ちょっとウイスキーフープっぽくないボトルではありますが、モルトを複数種類飲むコースの組み立ての中でも欲しい個性だと思いました。
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2020.01.12【日記】

ニューリリース:スプリングバンク 2009-2019 10年 オフィシャル "ローカルバーレイ" 56.2%

最後のリリースだけあって完成度が高かったです。

 

スプリングバンク SPRINGBANK 2009-2019 10yo OB "Local Barley" 56.2%
one of 9000 bottles, bottled in 2019



香りは華やか。メローゴールド、麦々しいが凝縮したモルティ、カモミールティー、スモーク、潮風を感じ、ミネラリー。
飲むと少し粉っぽい凝縮感があり噛み応えのあるモルティな旨味がしっかり、柑橘の甘味と酸味に加えて強い塩気も強い。タールっぽいピートもある長い余韻。

【Good/Very Good】


1999年から再度仕込みを始めたというスプリングバンクのローカルバーレイ、これまでに以下のような4回のリリースがありました。

1回目:1999蒸留16年熟成 2016年始めリリース
2回目:2006年蒸留11年熟成 2017年始めリリース ベアバーレイ
3回目:2007年蒸留10年熟成 2017年末リリース
4回目:2009年蒸留9年熟成 2018年末リリース

今回は定期的なリリースとしては最後とされている5回目で、2009年蒸留の10年熟成でした。

熟成年数だけでなく樽使いも異なり、毎回香味が違うイメージでしたが、今回の最終リリースはヴィンテージの同じ昨年のリリースとかなり近い香味でした。

昨年のものと自分のテイスティングノートを比べると驚くほど似たコメントですが、昨年のものは穏やかな香り立ちだったのに比べて、熟成が伸びた影響かスプリングバンクらしい華やかさが強まり複雑さも増したようです。

十分にフルーティでブリニーで、ピートはやはり近年蒸留らしくタールっぽさを伴い強めに感じられました。

キャンベルタウンモルトの代表であるスプリングバンクの個性が凝縮したようなボトルで、驚きこそありませんでしたが有終の美を飾ったと言える堂々の完成度です。

日本にも例年通りだと春頃に入ってくるのではないかと思います。


 
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2020.01.08【日記】

ニューリリース:ラフロイグ 30年 オフィシャル "イアンハンター・ストーリー, ブック1" 46.7%

個性的な長熟ラフロイグでした。

 

ラフロイグ LAPHROAIG 30yo OB "THE IAN HUNTER STORY, BOOK 1" 46.7%
one of 4800 bottles, 1st fill Ex-Bourbon Barrels



香りは熟成感のある柑橘系のフルーツと焦げ感のあるスモーク、生ハムメロン、少し松ヤニと針葉樹のウッディネス。
飲むとメロンや洋梨やレモンピールなどエステリーさの伴う強いフルーツがあるが、引き締めるウッディネスは強めでピートよりも長く残る。

【Good/Very Good】


オフィシャルのラフロイグ30年、イアンハンター・ストーリー、ブック1と銘打たれたリリースで、本の中身をくり抜いてボトルを収めるような装丁の入れ物に入っています。
イアン・ハンターというと蒸留所のオーナーだった人物ですが、次のオーナーだった(女性でむしろこちらのほうが有名な)ベッシー・ウィリアムソンの記念ボトルも、同様の装丁でリリースされたようです。

明らかに愛好家に向けたコレクターズアイテムで、ブック1ということは今後も同じようなスモールバッチのリリースが続くのだと思われます。

さて、肝心の今回のブック1の中身ですが、80年代後半の蒸留と思われ前半までのような独特の凝縮感は望めませんでしたが、長熟らしいエステリーさも伴うフルーティさがしっかりと感じられ、昔のラフロイグに感じがちな生ハムメロンのようなニュアンスもありました。

ただ、ファーストフィルのバーボンバレルで30年も熟成したためか、ややウッディネスは強く感じられ、松ヤニを伴う針葉樹のニュアンスも強めに感じました。

これがせっかくの長熟モルトの飲み心地をやや悪くしているようで、個人的な嗜好では過熟と感じました。

熟成感があって針葉樹的という部分においては、私も大好きな白州25年に共通のニュアンスがあり、香りの第一印象ではそのイメージだったのですが、全体的にはそれに比べると少々バランスが悪いようでした。

高額ですが今の市場では非常識な値付けではなく、それに見合った熟成感は間違いなくあるラフロイグで、ウッディなタイプが好きな人には間違いなく美味しいと感じるものだと思います。


 
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2020.01.04【日記】

ニューリリース:キルケラン(グレンガイル) 2004-2019 15年 オフィシャル UK向け グレンガイル蒸留所15周年記念 53.1%

スプリングバンクよりスプリングバンク味でした。

 

キルケラン KILKERRAN (Glengyle) 2004-2019 15yo OB for UK retailers to celebrate the 15th Anniversary of the opening of Glengyle Distillery 53.1%
one of 324 bottles, matured for ten years in a fresh bourbon puncheon, followed by five years in a refill bourbon hogshead



香りは華やか。しっかり蜂蜜レモン、穏やかなバニラ、こなれたモルティと淡いピート、僅かにオイリーで潮風を伴うミネラル感。
飲むと度数よりアタックは控えめでやや粘性あり、コクのある蜂蜜やオレンジマーマレードの甘味、凝縮感のあるモルティな旨味、良い塩気はしっかり、穏やかなピート、想定外に綺麗な余韻。

【Very Good,interesting】


2019年に、グレンガイル蒸留所の15周年を記念してUK国内の小売店向けにリリースされたオフィシャルボトル、キルケラン2004、15年熟成です。

以前にもお伝えしたかもしれませんが、この蒸留所はオーナーを同じくするスプリングバンクでフロアモルティングした麦芽を原料にしており、ベンヴィヴィスで使用していたポットスチルで蒸留しています。
蒸留もスプリングバンクの職人が行っているようで、恐らく使用できる樽の仕様もスプリングバンクと概ね同様ではないかと思います。

2004年ということは創業年の蒸留で、フレッシュバーボンパンチョンという恐らくバーボンバレルを組み直した珍しい樽で10年熟成させた後で、リフィルバーボンホグスヘッドで5年の後熟を経てボトリングされました。
なんだかわけのわからない樽使いですが、察するに創業したてで資金の無い時期に大きな樽で熟成させていたものを、10年経って量も減ったところで味のつきやすい樽に詰め替えたというところでしょうか。

そんな個性的なスペックではあるのですが、その中身はまさに王道のキャンベルタウンモルトでした。

上記の樽使いでバーボン系の樽感がありますが、これがうまくハマっており原酒の香味を引き立てる丁度良い効き方でした。

そして、なんといってもスプリングバンクに酷似した原酒由来の香味があり、フロアモルティングからくると思われる旨味の凝縮した深みのあるモルティさやブリニーな個性が存分に出ていました。

加えて、近年のスプリングバンクはかなりピーティで、タールや機械油のニュアンス、そして良くも悪くも雑味の多い香味があり、ともすれば飲み心地を悪くしてしまうこともあるのですが、それらが控えめで綺麗に仕上がっていました。

オバルなど、昔のスプリングバンクを彷彿とさせる香味で、これが熟成したらまさにその味になりそうだと思えたのでした。

これを私がブラインドで飲んだら、間違いなく第一にスプリングバンクと言うと思います。

スチルは違いますので、蒸留よりもそれ以前の仕込みのほうが香味に与える影響は大きいのではないか、やはりアルコール収量は落ちても「フロアモルティング⇒低度数のもろみ」が最も昔の味に近づける近道なのではないか、そう強く感じる体験でした。

このボトルは記念ボトルということもあり特に綺麗で秀逸な仕上がりですが、普通に買える12年も十分にキャンベルタウンの個性があって美味しいですし、キルケランには今後さらに注目していこうと思います。


 
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