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(ひと模様)大正生まれの女性バーテンダー・竹中豊子さん 

2008/11/17 朝日新聞 朝刊
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000270811170001

新聞記事のママの写真
雰囲気出てます。さすがプロの写真です

自慢のカクテル、半世紀(83歳)

 マティーニ、ギムレット、マンハッタン――。華やかなカクテルを生み出す大正生まれの女性バーテンダーは、周南市にあるカウンター9席のバー「南蛮屋」を一人で切り盛りしている。
「一番好きなカクテル? みんな好き。酒も強いんですよ」

 美容師をしていた57(昭和32)年、当時流行のトリスバーに誘われた。
そこで「無限のレパートリーを持つ」カクテルの魅力にとりつかれ、バーで修業を始めてから今年で52年目になる。
南蛮屋でバーを始めたのは60年。夫の哲次郎さんが名付けた喫茶店だったが、「朝は弱くて」夜の営業に切り替えたという。

 「50年あっという間よね。私のカクテル、お客さんに残されたことないんです」

 店には半世紀の時間がしっかりと刻まれている。
カウンターで酒を飲む写真家の林忠彦を撮った写真や、足しげく通ってきた画家、尾崎正章の絵も飾られている。
60代の男性客は「私の父が、若いときに来てたんですよ」と話す。

 ブランデーの水割りを片手にカウンターの隅に座っていた哲次郎さんは9年前、がんで亡くなった。
自身も耳は少し聞こえづらくなったが、まだまだ現役。客との会話が楽しくてしかたない。
「年を取ってもこんな風にしゃべれるのは、健康の基本。好きこそもののなんとか。
寝込むまで仕事を続けたい」と話す。(斎藤靖史)

#BAR(周南・徳山)

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