日本最小の蒸溜所、長濱蒸溜所の設備とは


 
蒸溜設備は、もともと長濱浪漫ビールの併設レストランの一部を改築して設置されたもので、非常にコンパクトな施設です。また、発酵槽などはビール製造で使用している既存のものを使用しているため、新たな製造設備としては蒸溜器のみ、ということになります。

精麦とマッシングは建屋の配置上、別棟で行われており、そこからステンレスの発酵槽へ移されます。大麦麦芽はドイツのモルトスターから輸入しており、スコットランド産とドイツ産のブレンドを使用。ノンピートとピーテッド麦芽をブレンドしており、ピーテッドの配合は約20%。将来的には、ノンピートのみ、ピーテッドのみの、それぞれの大麦麦芽のみを使用した蒸溜も行う予定とのことです。
 
また、発酵槽は既存の約2000Lのものが6基あり、ビール用とウイスキー用でそれぞれ3基ずつ使用するようですが、夏季などのビール繁忙期にはビール用としての使用がメインになるようです。この辺りがウイスキー製造における今後の課題になるのかもしれません。発酵はドライイーストを使用して約3日間かけられます。


 
 

ポルトガルのホヤ製で非常に小さな蒸溜器は、単式蒸溜器でありながらも今まで見たことのある形状とは大きく異なるもので、スコットランドではストラスアーン蒸溜所でも使用されている超マイクロ蒸溜器です。初蒸器は約1000L、再溜器は約500Lとのことで、その小ささが窺えます。もはや銅管と呼べるような細いラインアームはS字状に湾曲しており、いわゆるアランビックがそのまま大きくなったような形状で、そこから生まれるニューポットは約200Lと非常に少量です。
 
 
 
樽は、ヘブンヒル社のバーボンバレルが既に200樽ほど用意されており、その他シェリー樽も準備しています。また、鏡板に桜を使用してみるなどの試験的な熟成も試みるそうです。さらに、火入れ式のセレモニーでニューポットを詰めた樽はミズナラ樽。ミズナラも数十樽は確保しているとのことで、どんなウイスキーが出来上がるのか今から楽しみです。
 

熟成庫は、新しい建物を建てるのではなく、長浜市内から少し離れたところにある洞窟を検討しているようです。洞窟は年中冷涼で適度な湿気も保たれていますし、かつて静岡県東部にあった東洋醸造も洞窟で熟成させていたこともありますので、自然の力を最大限に利用した熟成によって、どのようなウイスキーになっていくのか興味が尽きません。
 
長浜蒸溜所ではヘブンヒルのバーボンバレルを200樽用意しています。
ミズナラ樽も購入しており、10年後、20年後の熟成が楽しみです。