世界中を席巻しているクラフト・ウイスキー・ブームは、皆さん良くご存知の通り日本もその例外ではなく、各地で新しい蒸溜所が名乗りを上げています。そして、また新しい蒸溜所が滋賀県長浜市に誕生しました。それが長濱浪漫ビール株式会社によって設立された日本最小となる長濱蒸溜所です。 既に幾度も試験蒸溜を重ねており、去る12月19日に、いよいよ本格的なウイスキー製造をスタートすべく、その火入れ式が執り行われました。

長濱蒸溜所の施設設備や生まれたてのニューポットの味わいをご紹介しながら、新たなジャパニーズ・クラフト・ディスティラリー誕生の瞬間をお伝えします。


 
 

蒸溜所が建つ長浜市とは?


長浜市は琵琶湖の北東部に位置し、古くは豊臣秀吉の長浜城建設によって開かれた城下町で、江戸時代には北国街道と琵琶湖の水運を中心に、湖北地方の要所として栄えました。今でもレトロな建物が立ち並び、街の中を小川が流れる静かな街並みが魅力的です。また、長浜八幡宮の春の例祭であり日本三大山車祭の1つである「長浜曳山祭」は、京都祇園祭や日立風流物などの18府県33件の祭で構成される「山・鉾・屋台行事」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されることが決定しています。
 
そんな古都の街並みと伝統行事を今に伝える長浜市にあるのが、長濱浪漫ビール株式会社です。江戸時代の米倉を改築しており、建物のすぐ横を川が流れ、古くは船着場として利用されていた歴史情緒溢れる佇まいのブルワリーで、かつて地ビールと呼ばれていた頃から続く日本のクラフト・ビール・ブルワリーの1つで、20年も続く老舗としても知られています。


 
 

いよいよ火入れ式へ


その施設の一角に小規模な蒸溜設備を設け、来年から本格的な稼働体制に入るために関係者をお招きしたレセプション。スコットランドへ赴いて実際にウイスキーの製造現場を視察し、新たなジャパニーズ・クラフト・ウイスキーを造り出す決意を込めた長濱浪漫ビール清井社長の挨拶の後、いよいよ藤井市長による火入れ式へ。
 
火入れ式とはいっても、当然ながら直火炊きではないため、ボイラーへの点火によって長濱蒸溜所の正式稼働スタートということになります。さらに、再溜器から流れ出たニューポットが樽へと詰められて工程の一部を再現したセレモニーが行われ、最後は参加者全員で地元の柚子を添えたニューメイクのハイボールで乾杯。え?ハイボール?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、レセプションにはウイスキーを普段飲まれない方も多く参加されており、また、ニューメイクは高度数アルコールですので、この配慮は適切だったと言えるでしょう。

さて、一連の式次第を終えて歓談会が催される中、さっそく蒸溜設備に関するいくつかの質問をしてみました。