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【解説】バランタイン12年オールドボトル年表

昨日は見事に寝落ちしたくりりんです。

さて、一昨日のバランタイン12年の問題の回答。
http://midnight.usukeba.com/otey1y6zaskp3m.html
 

正解は②→①→④→③ です。

①が1970年代前半
②が1960年代
③が1980年代後期~1990年代
④が1970年代後期~1980年代初頭
 

となります。
KSSIさん、お見事です!!
以前お渡しした資料を見ていただけていたのは嬉しいかぎりです。
 


(この記事を書くべく、ストックを引っ張り出してきたら、知らないうちにストック量が大変なことになっていた・・・。)
 



バランタイン12年の年代別の特徴は
(1)ロゴの色
(2)Ballantine'sの下の、TWELVE YEARS OLDの位置
(3)IN USE FOR OVER ○○○ YEARS ESTABLISHED 1827の記載の有無と、○部分の数字。
(4)ボトルのネック部分のラッピングに印字された文字の内容
(5)背面のガラス文字の有無
(6)ラベルの材質

で見分けることができます。
(上記以外に、ボトル肩ラベルの記載内容の変化70年代→80年代もあります。)

上記(1)~(6)は海外流通品、国内流通品、どちらにも共通する内容です。
特に、TWELVE YEARS OLDの位置は60年代と70年代の違いの1つですので、
わかっていれば、たとえネットオークションであってもサムネイルの画像をちょっと見ただけで年代を特定できる、
オールドボトルに興味がある方は知っておいて損なしです。

では、以下に年代別のアップ画像を紹介します。
 


1960年代(1962~1971年)流通
(1)青、赤、白
(2)Ballantine'sにべったり
(3)IN USE FOR OVER 135 YEARS ESTABLISHED 1827
(4)ロゴ、12と大字、ヨコ書きでBallantine's
(5)Ballantine'sと記載あり。
(6)さらさらとした紙(金属?アルミのよう)

国内情報:代理店明治屋、従価特級表記、JAPAN TAX付き

【テイスティング】
ザラメやブラウンシュガーのような甘さ、穀物質な香ばしさ、少しスモーキーでもあるが全体的に甘く華やかな香り。

味はバタークッキー、かすかにベリー、サルタナレーズン、微かに植物質、
口当たりは滑らかで穏やか、上品だが、余韻にかけては穏やかながら厚いピートの蓄積と、そして僅かにスパイスも感じられる。
バランスが良く非常に完成度の高さを感じさせるブレンデット。


 


1970年代流通(1972~1978年頃)流通
(1)青、赤、白
(2)Ballantine'sから間隔が開く
(3)IN USE FOR OVER 145 YEARS ESTABLISHED 1827
(4)ロゴ、12と大字、ヨコ書きでBallantine's
(5)記載なし、それに伴って背面ラベルの位置が上にずれる。
(6)さらさらとした紙(金属?)

国内情報:代理店明治屋、従価特級表記、年代的にJAPANTAX付きのものがある可能性あり(ほぼ無い)。

【つぶやき】
以前コイツと同ローテの1970年代沖縄回りを開封したけれど・・・
プラキャップ臭バリバリで飲めたものじゃなかった。やはり沖縄経由は危険指数高いなぁと実感。コイツは明治屋の正規だが大丈夫だろうか。

 



 

1970年代後期~1980年代初頭(1979年頃~)流通
ロゴマークの変更に伴い、ラベルチェンジ(簡素化)が行われた。
(1)青、オレンジ
(2)1970年代流通と同じ位置
(3)記載無し
(4)ロゴ、12と大字、ヨコ書きでBallantine's
(5)記載なし
(6)さらさらとした紙

国内情報:代理店明治屋、従価特級表記、760mlと750ml仕様が混在するが、760mlのほうが古い。

【つぶやき】
某オールドボトルのバイブルでは、本ボトルが1975年流通のボトルとして紹介されています。
前後関係を考えても、ちっと1975年は無理があるなー。

 



1980年代後期~1990年代流通
(1)青、オレンジ
(2)1970年代流通と同じ位置
(3)記載無し
(4)ロゴ、斜めにBallantine's
(5)記載なし
(6)コート紙、つやつや。安っぽい。

国内情報:代理店サントリー、特級表記、バーコード有りのモノと無いものがあるが、無いほうが古い。
また、バーコードは箱についているため、一見するとわかりづらい。

テイスティング:ややトゲ、雑味のある若いグレーン原酒を感じさせる香りと微かなヒネ、カラメル、ほのかにスモーキーな香りもある。
味はスムーズな口当たりからグレーン系の甘さと、植物質なトゲのある苦味が広がる。
味は中間からやや単調で、マイルドだがのっぺりとした甘さが余韻まで続く。
バランスは現行のブレンデットに比べれば・・・なのだろうが、やはりグレーンの質の低下、原酒の量の少なさはごまかせない。

 



その他のボトルたち。


 

1990年代のバランタイン12年
(1)青、オレンジ しかしロゴのサイズは小さくなる、そしてTHEが付く。
(2)12年の下に移る。
(3)記載無し
(4)ロゴ、斜めにBallantine's
(5)記載なし
(6)コート紙、つやつや。安っぽい。

【つぶやき】
おそらく上のボトルよりさらに新しいモノ。ただ、このボトルに関する前後関係はいまいちわからない。
何度か酒屋めぐりでも見かけたが、特級ナシのバーコードありウィスキー表記だったのでスルーした。
 


1960年代と思われるバランタイン12年
アメリカンTAX付きのアメリカ流通品、1960年代ですが・・・初期のものでしょうか。
基本的にボトルの情報は、上記にもある1960年代のモノと同じですが、
VERY OLDの表記が、FINEST BLENDEDになっています。

 


【IN USE FOR OVER ○○○ YEARS ESTABLISHED 1827】について

1970年代以前のバランタインのリリース時期を特定する大切な情報、
IN USE FOR OVER ○○○ YEARS ESTABLISHED 1827の○○○に入る数字は、

バランタイン全体では100、125、135、145、があるようですが、
バランタインファイネストや17年、30年には145は無く、
バランタイン12年では100、125を見たことがありません。

バランタインは当初1910年にファイネストが販売され、続いて1930年代に17年が販売されていますが、
12年の販売時期はWEB等に情報が無く・・・そのヒントは、かなり探していますが125表記のボトルが見つからないことにあるように思います。

仮説ですが、バランタインファイネストや17年は1960年代中ごろまでロゴが赤・白で、1960年代末から青、赤、白になります。
つまり、1960年代のモノであれば12年も赤、白ロゴであっても良いわけですが、これもありません。


(参考:バランタインファイネスト 1960年代流通品 赤白ロゴ)

よって12年のリリースは1960年代が販売開始であり、青、赤、白ロゴのお目見えでもあり、それを皮きりに、
他のバランタインについてもロゴの色を赤白から青、赤、白に変更していったのか・・・というところです。
 

この辺は海外サイトとか見ても資料が無いのでわかりませんw
125や100Years表記のバランタイン12年、見かけたら教えてください。
 


なお、バランタイン12年のオールドボトルは、比較的新しいものがやたら高値で売られているかと思えば、
同等の価格以下で1960年代のボトルが売られていたります。しかも年代を勘違いして販売していたりすることもあり・・・

古ければ旨い、というわけではありませんが、この手の情報は知っておくことが何よりの武器ですね。

以上、バランタイン12年の年代別解説でした!

第三回オールドブレンデットテイスティング会(11月26日)
参加者募集中!!
http://midnight.usukeba.com/otey1y69kzrmsa.html
 

#ブレンデット #バランタイン

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