
ストイックなドリンカーの日々 ~Drinker's Diary~
モルトウイスキーをこよなく愛する男の日々のテイスティングや考えたことを掲載します。
2018.08.28【日記】
ダルユーイン 1980-2015 34年 オフィシャル リミテッドリリース 50.9%
ダルユーイン DAILUAINE 1980-2015 34yo OB LIMITED RELEASE 50.9%
one of 2952 bottles
香りにはオイリーな重さがあるが華やかさもある。アプリコットティー、梅ジャム、ワックスや樹液、蜂蜜、炒めたナッツ、しっかりとリッチなオーク。
飲むと丸みのある口当たりから芳醇に広がる、粘性が強く舌にまとわりつくテクスチャー、アプリコットジャム、樹液、蜂蜜のコクのある甘味、噛み応えのある旨味の濃いモルティ、深みのあるオークとその渋味、淡い植物のエグ味、しっかりしたボディ、オイリーで余韻は長い。
【Very Good】
MHDさんのオフィシャルリミテッドリリース、2015年ボトリングのダルユーイン1980。
34年熟成のカスクストレングスです。
リリースされてすぐにバーで飲み、記事にもしました。
その後、MHDの方とお話したときにまだ在庫があることが判明し、私のバースデーヴィンテージということもあって思い切って購入し、すぐに開栓しました。
このMHDリミテッドリリースは年々驚くほど高額化しており、もともと高額なのですが数年前の在庫が非常に安く感じられますね。
ボトリングからそれほど経っておらず、概ねの感想は同じでした。
ただ、総評としてプレーンな樽感と書いていましたが、改めて飲むとわりとリッチな樽感で、同ヴィンテージのマキロップチョイスなんかと比べてみても、しっかり樽の影響が感じられました。
その分、ややエグ味のようなものが伴っていますが、これはこれで一杯の満足感を高めているようにも思います。
次々に杯が進むというタイプではなく、すぐに満足できる霜降りの肉やトロみたいな感じですかね。とはいえ写真の通りひとりで結構飲んでしまいましたが。。。
開けてしばらくはそのオークのリッチな主張にやや押し付けがましさを感じていましたが、開栓から半年以上経過し、時間とともに一体化して飲み心地はスムーズになってきました。
レアモルトやこのリミテッドリリースもそうですが、恐らくしっかりめにチルフィルタリングされていることもあってかMHDさんのボトルは経年変化しにくい印象があります。
さすがに開栓後は酸化しやすくなっていると思いますので、今後の変化もじっくりと見ていこうと思います。
このボトルは、購入したものを自宅でじっくりといただきました。
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2017.07.25【日記】
ダルユーイン 1971-1987 16年 スコッチモルトウイスキーソサエティ 41.1 57.9%
ダルユーイン DAILUAINE 1971-1987 16yo THE SCOTCH MALT WHISKY SOCIETY 41.1 57.9%
香りは心地良いオールド感、アプリコットや梅のジャム、埃っぽさ、淡くオールドマールのニュアンス、海苔、滋味深いモルティ。
飲むと滑らかな口当たりからスパイシーに芳醇に広がる、舌に染み込むようなモルトの旨味、ドライアプリコット、コクのある甘味、モルトの旨味がしっかり、深遠でうっとりする余韻。
【Very Good, Interesting】
スコッチモルトウイスキーソサエティから41番=ダルユーイン1971、1987ボトリングの16年熟成です。
1番表記ですから、ソサエティの詰めた最初のダルユーインということですね。
ソサエティらしい味付け感のない樽でこの熟成年数ですから、ボトリング当初は太い酒質と荒々しさが目立つものだったのではないかと推測します。
それがボトリング後およそ30年を経て、荒々しさがこなれてコクや旨味が染み込んでくるようなテクスチャーに変わり、フルーツ感も感じやすくなり、さらに古いマールのような独特の雰囲気を帯びたのではないかと思います。
時間を飲んでいるような錯覚に陥る滋味深い深遠な香味に、うっとりしながらいただきました。
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2016.06.12【日記】
ダルユーイン 1976-2012 35年 信濃屋 禽獣図会 #5966 48.3%
ダルユーイン DAILUAINE 1976-2012 35yo SHINANOYA #5966 48.3%
one of 124 bottles, BOURBON HOGSHEAD
香りは長熟感がありエステリー、多彩なフルーツ、桃や洋梨、バニラとホワイトチョコ、陶酔感あり。
飲んでも非常にエステリーで多彩なフルーツ、果汁っぽさもあり上品な甘味と淡い酸味、ボディも残っている、余韻まで心地良い陶酔感あり。
【Very Good】
信濃屋さんがリリースした、"禽獣図会"のダルユーイン1976、35年熟成です。
香りは往年のダンカンテイラーやウイスキーエージェンシーを彷彿とさせるエステリーで多彩なフルーツ感が魅力的で、陶酔感があります。
バニラやホワイトチョコっぽい部分もあり、洋菓子っぽいニュアンスです。
飲んでも香り同様に多彩なフルーツ感があり、上品な果汁っぽさがあって甘味と酸味のバランスも良いです。
決して厚みはないのですが、それなりに度数も残っているということもあり、この手のエステリーな長熟モルトとしては抜け感が少なく、ギリギリボディは保たれているように感じました。
陶酔感があって美味な長熟ダルユーインでした。
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2015.12.25【日記】
ニューリリース:ダルユーイン 2001-2015 ウィームス
ダルユーイン DAILUAINE 2001-2015 WEMYSS MALTS 46%
one of 391 bottles, HOGSHEAD
香りは華やか、青リンゴとフレッシュオレンジ、少し白ワイン、バニラ、草っぽさ、心地よいオーク、きつくない麦感。
飲むと穏やかな口当たり、オレンジと優しい蜂蜜系の甘味、優しいコクあり、心地よいオークと蜂蜜が長めに残る余韻。
【Good/Very Good】
ウィームスからニューリリースされたダルユーイン2001,およそ14年熟成です。
ウィームスはほとんどのボトルが加水ですが,これも46%加水です。
香りはとても華やかなバーボンカスクというイメージで,意外と多彩さもありました。
14年熟成でこの熟成感ならバレルかなと思ったのですがホグスヘッドでした。
飲んでみると,急仕上げ感が不思議なほどなく,心地良い飲み心地に仕上がっており,ホグスヘッド味で納得できるものでした。
この辺は加水の妙なのかもしれません。
以前から何度か書いていますが,ウィームスの作る加水モルトは,最近のボトラーでは一番センスがあるのではないかと感じています。
スペックのわりに少々割高なのが引っかかるところではありますが,大変飲みやすく美味しいモルトです。
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2015.12.08【日記】
ニューリリース:ダルユーイン 1980-2015 34年 オフィシャル リミテッドリリース
ダルユーイン DAILUAINE 1980-2015 34yo OB LIMITED RELEASE 50.9%
one of 2952 bottles
香りは華やかに広がる、オレンジピール、アプリコットティー、淡く洋梨や梅ジャム、蜂蜜、強めのオーク、少し樹液とオイル、リッチ。
飲むと丸みのある口当たりから芳醇に広がる、少しザラッとした舌にまとわりつくテクスチャー、アプリコットジャム、蜂蜜のコクのある甘味、旨味の濃い麦感、噛み応えあり、強めのオークとその渋味、厚いボディ、少しオイリーで長い余韻。
【Very Good】
今年のディアジオ=オフィシャルからのリミテッドリリースの中に,恐らくマネチョなんかを除くリミテッドとしては初めてなのではないかというダルユーインがありました。
ヴィンテージは1980で34年熟成です。
ディアジオのこういうリリースにしてはややバーボンカスクの効いた華やかな香り立ちで,熟した柑橘と,洋ナシなどの長熟で出てきたと思われるフルーツもうっすらと顔を出してきます。オークや樹液っぽさもあり多彩です。総合的にはやはりプレーン系の正統派といえる香りだと思います。
飲むと芳醇な広がりがあり,香りに比べると長熟感より太めの芯のある麦感を主軸とした味わいでした。濃縮感のあるフルーツ感と蜂蜜系のコクのある甘味,そしてやはりストレートな旨味を感じる麦感が印象的でした。厚みのあるボディで長い余韻も非常に心地良かったです。
なお,1回目に飲んだ時にはオークがやや強めかなと思ったのですが,2回目に飲んだ時には落ち着いたのかそれほど気になりませんでした。
なんだかんだで,香りも味わいも本質的にはディアジオのリミテッドに多いプレーンで正統派のモルトだと思いましたが,奥からじわりと長熟らしい華やかなニュアンスが顔を出していたのが印象的でした。
ディアジオには,長熟向きの良い樽という括りがあるんだろうと思います。
やっぱり有無を言わさぬど真ん中の美味しさでした。
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2015.05.31【日記】
ダルユーイン 1975-2003 BBR #5539


ダルユーイン DAILUAINE 1975-2003 BBR #5539 46%
香りは熟成感のあるエステリー、洋ナシ、艶々したオレンジ、じわじわとアプリコットジャム、紅茶、穏やかな麦感、飲んでも熟成感あり、柔らかい口当たり、洋梨、オレンジリキュールの淡くコクのある甘味、じわりと麦の旨味、心地良い余韻。
【Good/Very Good】
BBRから2003年に加水でボトリングされたダルユーイン1975,およそ28年の熟成です。
長熟で加水だけあって,香りは最初から非常に華やかで強かったです。エステリーで多彩なフルーツが感じられ,紅茶感もありました。
口当たりは柔らかくスムーズなテクスチャーで,やはり熟成を感じる多彩なフルーツに,コクのある甘味もあり,ダルユーインらしさなのか意外にじわじわと麦の旨味も感じられ,味わいのバランスも良く嫌味も無いまま心地良い余韻につながっていきました。
加水で華やかさや飲み心地の良さがより引き出されているような印象でした。
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2015.04.12【日記】
近年リリース:ダルユーイン 1992 21yo クーパーズチョイス #3132


ダルユーイン DAILUAINE 1992-2013 21yo THE COOPERS CHOICE #3132 46%
one of 180 bottles, Barrel
香りはオレンジ、バニラクリーム、ナッツ、アップルパイ、ほど良い麦感、オーク、飲むと柔らかな口当たりから広がる、オレンジや蜂蜜の甘味、コクあり、クリーミーで心地良い余韻。
【Good/Very Good】
ヴィンテージモルト社のクーパーズチョイスからダルユーイン1992,21年熟成です。
良いバーボンバレル由来と思われるオレンジやバニラやほど良いオーク,それにアップルパイのようなニュアンスが感じられ良い香りでした。
飲んでも加水らしいやわらかな口当たりからふわりとした広がりがあり,香り同様の良いフルーツと優しいコクのある蜂蜜の甘味があり,クリーミーさのある余韻は心地良かったです。
決して複雑で深みがあるタイプではありませんが,こういう穏やかでふくよかで心地良いタイプは好きですね。序盤に飲むのに最適です。
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2015.04.01【日記】
ニューリリース:ダルユーイン 1980 33年 スコッチモルトウイスキーソサエティ “41.63”
飾らないナチュラルな熟成感で良かったです。
ダルユーイン DAILUAINE 1980 33yo THE SCOTCH MALT WHISKY SOCIETY“41.63” 54.1%
one of 174 bottles, Refill Bourbon Hogshead
香りは華やかだがとても良い素朴な麦感がある、シナモン、淡い桃や洋梨、ナチュラルな熟成感、スライスアーモンド、飲むと滑らかな口当たりからじわりと広がる、濃いめでこなれた麦の旨味、やや噛みごたえあり、蜂蜜系のコクのある甘味、引き締めるオークの淡いタンニン、長めの余韻。
【Good/Very Good】
SMWSから新しくボトリングされた41番=ダルユーインの1980,33年熟成です。
昔のんだアデルフィのダルユーイン1980が自分の中ではヴィンテージのわりに非常にフルーティで美味しかったという記憶があり,同ヴィンテージのダルユーインはついつい気になってしまいます。
以前買って飲んだマキロップチョイスのものは真逆で麦感が全面に出たプレーンなものでしたが,今回のものはその中間という感じでした。
噛み応えもあるような旨味を感じる素朴な麦感が印象的ですが,華やかであり桃系のフルーツ感も奥に見え隠れします。
ニューリリースとは思えないような,度数を感じない舌触りとこなれたニュアンスがあったのも印象的で,最近のSMWSのニューリリースにはこういうものが散見されるようになった印象です。
このボトルは,取ってつけたようなところがなく,ナチュラルな熟成感もあって,なんとなくディアジオのオフィシャルボトルみたいな印象も持ちました。
満足感のあるダルユーインでした。
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2015.01.20【日記】
ダルユーイン 16年 オフィシャル 花と動物シリーズ


ダルユーイン DAILUAINE 16yo OB Flora & Fauna 43%
香りは高貴なニュアンスのあるシェリー、プラム、ベリー、チョコレートがけのオレンジ、しっとりした濃い麦感、飲むとベルベットのような滑らかな舌触り、高貴なシェリー、ジャムのコクのある甘味、優しい渋味、淡い植物感と悪くないエグ味、土っぽさとレザー、長い余韻。
【Very Good】
花と動物シリーズのダルユーイン16年,オフィシャルボトルです。
一応このシリーズもオールドボトルになってきましたが,ちょっと前のスタンダードボトルですし,そこまでの期待値はなかったのですが,飲んでみると驚きました。
往年のマッカランに通じるような高貴なシェリー感があり,加水ボトルが良い瓶内変化をしたためか,とても滑らかな舌触りと飲み心地でした。
甘味渋味などの味わいのバランスも良く,土っぽさやレザー感まで感じられ,複雑な香味があって陶酔感がありましたが,これも多くが瓶内ででてきたものではないかと思います。
このラベルのダルユーインを飲むのはこれが初めてではないのですが,こんな美味しいものは飲んだことがありませんでした。
瓶熟したこの花動ダルユーインがすべてこの味かといえば,多く出回ったスタンダードボトルですし恐らくロットによる違いもあるのではないかと思います。
とはいえ,当時に近い価格で売られているのを見たら,この味の可能性に掛けて買ってしまう気がしますね。
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2014.12.05【日記】
最近のリリース:ダルユーイン 1982 31年 ウイスキーエージェンシー リフレクションズ


ダルユーイン DAILUAINE 1982-2013 31yo THE WHISKY AGENCY "Reflections" 51.3%
one of 225 bottles, REFILL HOGSHEAD
香りはフレッシュなレモン、強くシードル、乾いていない藁のグラッシー、白い花、良い麦感、飲むと凝縮した柑橘、濃い麦の旨味、輪郭がくっきりしていてキレあり、きれいな余韻。
【Good/Very Good】
ウイスキーエージェンシーのリフレクションズというシリーズから,ダルユーイン1982,31年熟成です。
香りはフレッシュレモンに加えてシードルのようなリンゴの香りが強く感じられたのが印象的でした。フローラルなニュアンスや植物感もあって,全体的に爽やかでした。
飲んでみると,香りから想像したものと異なり凝縮した印象でフリーズドライのような柑橘を感じ,キレもあり余韻まで綺麗な味でした。それでいて長熟らしからぬ濃い麦の旨みも感じられたのは良かったです。
ダルユーインというと,厚い麦感でやや無骨なニュアンスがあるものが多いイメージでしたが,これは良い麦感だけでなくフルーティさも強く出ているタイプで,香りと味わいにおけるフルーツ感の違いが興味深いボトルでもありました。
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2014.11.27【日記】
Whisky Festival 2014 in TOKYO に参加しました。~前編~
11月24日に開催された,今年の東京のウイスキーフェスに参加してきました。

仲間と楽しく過ごせたこともあり,そんなにストイックに飲んで回ったわけではないので軽くご報告です。

まず毎回恒例ウォーミングアップ(?)のブラインドテイスティングコンテスト。
前回までは予選はスコッチのシングルモルトだけの出題でしたが,今回はどういうわけかスコッチのモルトは入っておらず,ブレンデッド,アイリッシュ,ジャパニーズ,アメリカンのみの出題でした。
選択肢を見て,ここ数年で飲んだものがジャパニーズくらいしかないよ・・・という切ない展開だったのですが,ちゃんと真剣に取り組みました。
Aは少し焼酎っぽい若さの目立つスコッチのブレンデッド,Bはオイリーでトロピカル感もある熟したフルーツがありアイリッシュかグレーン(これは選択肢にナシ),Cはちょっと針葉樹っぽさのあるウッディネスとフレッシュなフルーツ感でジャパニーズの白州か宮城峡という印象,そしてDは明らかにバーボンの香味でした。
ジャンルくらいはすんなりとわかりましたが,さすがに一度も飲んでいないものも含め経験値が極端に少ないものばかりで,銘柄までは難しかったです。
結局,Aのバランタインファイネストを正解し,B~Dもジャンルは正解したものの銘柄は当たらず。。。予選敗退となりました。
Cで,迷った末スモーキーさをあまり感じなかったので白州を切って宮城峡にしたのが失敗で,正解は白州12年でした。正直,白州は去年もノンエイジが出たし,今年はマッサンもあるからニッカでしょ・・・って雑念も悪さをしましたね。(笑)
1問正解で残りも当たらずとも遠からずな回答だったので,例年の感じだと部分点で決勝行けるかなと期待していたのですが,残念でした。。。
ちょっとこの選択肢だと来年参加するかどうか迷ってしまうところですが,それでも十分に楽しめましたね。
さて,そこから遅れて会場入り。
モルト仲間や知り合いのメーカーさん,そして初めての方にも声を掛けていただき,楽しく話しながらの試飲でしたので,テイスティングはある程度ざっくりですがいろいろ美味しいものを飲めました。

まず今回楽しみにしていた信濃屋さんとBOW BARさんのコラボボトリングのグレンファークラス1979です。
これは前回の信濃屋さん向けのファークラス1979と同系統の北梶フレーバーがばっちりでたフルーティモルトで,洋ナシや桃,バナナ,パイナップルなど多彩なフルーツとクリームが感じられるフルーツケーキのようなモルトで,シェリー系でないためスペイサイドの長熟らしい華やかさが強く感じられるボトルでした。
さすがに高額ではありますが,オフィシャルボトルで1979-2014ですし,内容を鑑みれば十分に妥当な値付けだと思います。


他にも信濃屋さん向けに入ってくるというモルトマンのベンネヴィス1996やケイデンヘッドのダルユーイン1994をいただきましたが,どちらもフルーティなニュアンスが前面に出たタイプで信濃屋さんらしさを感じました。
ベンネヴィスには自分の苦手な紙っぽさやエグ味が少なく,ダルユーインもスペックのわりに無骨な麦々しさよりフルーティさが特徴的なタイプだったのも印象的でした。
BAR婆娑羅さんのブースには,かなりのレアモルトが並んでいました。
高額試飲が多かったですが,お店で飲むことを考えればかなり良心的な価格で出されていましたね。

そこで自分は大好きなラフロイグのキングスバリー1976,22年をいただきました。
凝縮して噛み応えを感じる柑橘やメロンなどのフルーティと落ち着きも感じましたがそれと強いピートが同居している美味なラフロイグでした。
この辺のヴィンテージだとボウモア系のトロピカル感もあるかなと思ったのですが,現時点では感じませんでした。これから出てくるのかもしれませんし,正直,今回の試飲ではポテンシャルを十分に感じてあげることができなかったように感じており,機会があればもう一度じっくり時間をかけていただきたいボトルでした。

ディアジオさんのブースでは,これも飲んでみたかったラガヴーリンのオフィシャル37年をいただきました。
力強いアプリコット系フルーツとどっしりとした迫力のあるピート,魚介ダシの旨味とこなれた麦の旨みも感じられ,熟成感を感じる複雑な香味もありましたがとにかくベースがビッグでリッチなラガヴーリンでした。
かなりの長熟ですが過熟感は全くなく,アイラモルトとしてはバランスもとれており,さすがオフィシャルのヴァッティングですね。
超高額ボトルでしたから試飲も高額でしたが原価割れするくらいの価格でしたし,飲めないと思っていたボトルでしたから飲めて嬉しかったです。

山岡さんのブースではOMCのオード1967,39年をいただきました。
後述するセミナーでのオード1970と比べるとやや軽さはありましたが,そのぶんとてもフルーティでかなり美味しかったです。

その後,サマローリの高額ボトル,グレングラント1973とトミントール1967の試飲もさせていただきました。
トミントールが人気とのことでしたが,非常に熟成感があり華やかでフルーティな反面,ボディが軽くなっている印象でした。
グラントはトミントールほど華やかではありませんが十分にフルーティであり,ボディもなかなか保たれているタイプで,個人的にはこちらが好みでした。
どちらもずっとうっとり飲み続けられるような熟成感があってとても美味でしたが,さすがに買うのに躊躇するような強気の値付けですね!

モルトではありませんが,スコッチモルト販売さんのブースで安価に出されていたコニャック,Borderie1970,これが非常に陶酔感がありすばらしい香りでした。
いわゆるランシオと言われる香りの中でも本命のような香りで,確かに昔の素晴らしいモルトにも共通点を感じることがあるように思いました。
こうして書いてみると意外に長くなってきたので,今回はブースでの試飲の話でおしまいにして,参加したセミナーのお話は次回の後編にします。
2014.06.08【日記】
ニューリリース:ダルユーイン 1997 16年 ダグラスレイン オールドパティキュラー JIS向け


ダルユーイン DAILUAINE 1997-2014 16yo DOUGLAS LAING OLD PARTICULAR for JIS #DL 55.2%
one of 120 bottles, bourbon barrel
香りは強い、オレンジ、青りんご、洋梨、クリーミー、フルーツケーキ、バニラ、良い麦感、飲むと意外に穏やかな口当たりから広がる、香り同様の多彩なフルーティ、少しエステリー、上品な甘味できれいな味わい、心地良い余韻。
【Good/Very Good】
ダグラスレインのオールドパティキュラーから,ジャパンインポートシステムさん向けにボトリングされたダルユーイン1997,16年熟成。
先日のダルモア同様,本来は加水タイプのシリーズですが,これはカスクストレングスでボトリングされています。
バーボン樽熟成のものにしばしば感じられる青リンゴや柑橘,そしてバニラ,クリーミーさもあいまってフルーツケーキのようなニュアンスを覚える香り立ちです。
飲んでも同様にフルーティで,甘味もほど良く上品な味わいだったのも印象的でした。
香りにおいても味わいにおいても,熟成年数のわりに熟成感があったのは,熟成が早いバーボンバレル熟成であったためでしょうか。
最近のリリースにおいて,熟成が長くなく手頃な値段で完成度の高いものというと,このタイプのものが多いですね。
似たタイプが多いのが玉にキズではありますが,これも完成度が高いボトルでした。
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2013.12.15【日記】
自宅テイスティング:ダルユーイン1975-2002 GM for JIS セラミックジャグ


ダルユーイン DAILUAINE 1975-2002 GM Reserve ceramic jag for JIS #4376 55.1%
one of 256 bottles, 1st Fill Sherry Hogshead
・香り:
濃いシェリー、カラメル、レーズン系のブドウ感を含んだドライフルーツがしっかり、ベリージャム、煮詰まったコーヒー、焦がした麦、強いウッディネス、ミント、リッチで少しミーティだがサルファリーはない。
・味わい:
深みのある濃いシェリー、カラメルソースやドライフルーツを感じる強い甘味、濃いミックスベリー、ミント、ウッディは強くタンニンとコーヒーのような収斂性のある渋味もやや強め、粘性はあるが後半はスパイシーで迫力もある、リッチでボディは厚め。
・余韻:
強い甘味とメンソールも残るが、最後は渋味が勝るフィニッシュ。
・加水:
崩れない。紅茶っぽさが感じられる。ウッディネスと渋味が和らぎ粘性が感じられる。加水後の方が引っかかりが無く特に後半の甘味渋味のバランスが良くなる。
・総評:
リッチで濃いシェリーカスクのダルユーイン。
嫌味の無いシェリー感だがやや渋味が強め。
カスクストレングスらしいガツンとした迫力も捨てがたいが、加水後のバランスの良さや落ち着いた渋味はとても良い。
【Very Good】
GMがジャパンインポートシステム向けにボトリングしたダルユーイン1975、リザーブ表記の陶器瓶で2002年詰めです。
ファーストフィルシェリーホグスで約27年の熟成というだけあって、香りも味わいもシェリー系のフルーティでウッディな要素が支配的です。
カスクストレングスでありシェリー感がなかなか良いものであるため、かなりの飲み応えと満足感があるボトルですが、やや渋味が強く硬さもあるため飲み疲れするタイプでもあります。
加水するとストレスフリーになりバランスもかなり良くなるため、正直最初から加水でボトリングしてくれても良かった気もしました。
60年代はもちろん、70年代蒸留のシェリーカスクのモルトもリリースが少なくますます高騰していますが、他の系統の樽では変わるものが無いですし飲みたくなりますから、こういうストックは大事にしなくてはいけませんね。
と思いつつも飲みたくなるとつい開けてしまうのです。。。
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2013.11.12【日記】
ニューリリース:ダルユーイン29年 ウイスキーエクスチェンジ レトロラベル


ダルユーイン DAILUAINE 29yo THE WHISKY EXCHANGE RETRO LABEL 53.2%
アプリコットジャム、濃く煮出した紅茶、熟したオレンジ、ほど良く主張する麦感とオーク、飲むと樹液とアプリコットジャムの濃厚な甘味と甘酸っぱさ、コクあり、リッチで長い余韻。
【Very Good】
ウイスキーエクスチェンジのレトロラベルからニューリリースのダルユーイン29年です。
熟成感のある濃厚なフルーツ感や紅茶のニュアンス、ほど良く残っているこなれた麦感も好印象で、飲んでもリッチで厚みと複雑さがありますが、濃厚な甘味一辺倒ではなく少し甘酸っぱさも感じられたのが良かったです。
なかなか完成度の高い1本でした。
余談ですが、このボトルのように29年熟成とだけ書く方がありがたみがありますよね。最近のボトリングでしょうから逆算すると1984あたりの蒸留になるんでしょうが、なんとなくヴィンテージが書いてないほうが高級感がある気がします。
ボトリング時期を知らずに飲む場合には気になってしまうのでしょうけど。。。
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2013.09.23【日記】
ダルユーイン16年 オフィシャル 花と動物シリーズ


ダルユーイン DAILUAINE 16yo OB 花と動物シリーズ 43%
甘酸っぱく熟したプラム、オレンジ、紅茶、良い麦感、カラメリゼしたナッツ、飲むとやや粘性あり、カラメルソースの甘味とやわらかな渋味。似た野菜のニュアンス、後半から余韻にうっすらピート。
【Good】
オフィシャル、花と動物シリーズからダルユーイン16年です。
あまり味わいの記憶もなく、かなり久しぶりに飲んだのですが、シェリー樽も含むヴァッティングと思われる熟したフルーツも含む多彩なフレーバーが印象的でした。
このボトルは、神楽坂のフィンガルさんでいただきました。
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2013.05.08【日記】
さすがのマネチョ ダルユーイン1997 オフィシャル マネージャーズチョイス


ダルユーイン DAILUAINE 1997-2009 OB THE MANAGERS' CHOICE #8476 58.6%
少しエステリーなニュアンスを伴うオレンジや洋梨のようなフルーティ、しっかりと麦感、蜂蜜、バニラ、少しクリーム、樽の印象は強くなく全体にクリア、麦の旨味と甘味、木の渋味が少しあり味を引き締める、スパイシーでキレがあるが、麦の甘味旨味はわりと長く残る。
【Very Good】
オフィシャルのマネージャーズチョイスのダルユーイン1997。
このマネチョは2009年に一度にいろんな蒸留所からでてきましたが、どれも短熟で高度数、そして高額でした。しかしさすがに厳選されただけあって、内容はかなり良いものが多かったです。
このボトルに関しても、これだけの熟成期間にも関わらず熟成感がちゃんとあります。強い味わいで、それぞれのフレーバーの輪郭がくっきりしていてぼんやりした部分が少ないのも印象的でした。
樽は強くなく、フルーティな熟成香に加えて最初から最後まで若い麦の美味しさに溢れていますが、それに伴いがちな未熟感はなく、正統派のオフィシャルボトルの風格を感じます。
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2013.01.04【日記】
あふれる果汁感に感動:ダルユーイン 1962-1998 36年 シグナトリー 10周年記念デキャンタ


ダルユーイン DAILUAINE 1962-1998 36yo SIGNATORY 10th ANNIVERSARY 49.4%
one of 180 bottles
素晴らしく陶酔感のあるフルーツ、みずみずしいブドウ、ベリー、プラム、高貴な印象だが酸味の残る果汁の印象が強く典型的シェリー感と少し異なる。
飲んでも濃い果汁のニュアンスがあり、上品さもある強めの甘味、心地良く味を深める渋味、甘酸っぱさ、これらがハイレベルなバランスをとっている。
【Excellent】
シグナトリー10周年記念デキャンタのダルユーイン1962。
高貴なニュアンスを持ちながら、一般的な良いシェリーカスクとは異なる果汁が溢れてくるようなフルーツ感がとても印象的で素晴らしいボトルです。
果汁のようなみずみずしいニュアンスは、ロングモーンの良いボトルなどに感じることが多いのですが、それよりもさらにフレッシュで甘酸っぱいような印象を伴う果汁感で、それがここまでしっかり感じられるものは他に経験がありません。
数年前に有楽町で飲んだ時にも思ったのですが、今回再確認することができました。
甘味・渋味・酸味のバランスもとても良いです。裏打ちするようにピートがもう少しはっきりあればさらに味が深くなるかなとも思ったためレーティングはちょっと悩みましたが、他にない個性があること、そしてかつて感激してボトルを探した思い出と切り離して評価することができずEとしてしまいました。
このボトルは、三越前のIANさんでいただきました。
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2012.09.19【日記】
これまでのテイスティングノート33:ダルユーイン 1973-2011 38年 ウイスキーリンク ”Cure” #10417
ダルユーイン DAILUAINE 1973-2011 38yo #10417 54.5%
whiskylink “Cure” selection No.1
one of 190 bottles
2011年7月開栓 ・ 2012年3月11日評価
・香り:
厚いモルティと濃い蜂蜜の甘い香りが前面、青リンゴや熟したオレンジ、白ブドウ、ヴァニラ、干し草、薄くミント、バターやホワイトチョコのニュアンスを伴うオイリー、桃やパイナップルも奥から出てくる。樽の印象は強くないがバーボンカスクのニュアンスはあり、熟成はリフィルのバーボンホグスヘッドだろうか。モルティな中を探すと複雑なフルーツが見つかる。熟成感は開栓後時間をかけてゆっくりと出てくる。
・味わい:
麦から作った蜜のようなモルティな濃い甘さ、べっこう飴のニュアンスも。結構スパイシーでヒリヒリする。オレンジやアプリコットからだんだん白ブドウ感も。木材っぽい渋味が全体を引き締めて深めている。余韻は厚い麦の甘味とスパイシーさがメインだが、複雑なフルーティさが軽くミントを伴い鼻に抜けるような感覚が長く残る。
ざっくり味わうと麦の甘味が漠然と複雑な上に乗っかっているような印象だが、探すと複雑さを紐解いていくような感じがあり、38年の熟成感はそこに感じられるように思う。ただ麦感豊富で無骨なモルトとはそこが違っている。
・加水:
レモンのようなフレッシュな柑橘感や白ブドウが強まりよりフルーティになる。スパイシーさも和らぎバランスは良くなる気もするが、若い草っぽさが出てくることもあり、個人的には加水前の方が好み。
・総評:
麦の甘さとスパイシーさが前面にでており、長期熟成による複雑なフルーティさを覆い隠しているような印象であったが、それが時間をかけて徐々に露出してきた。売れ筋のフルーティ前面な路線とは全く異なるが、モルトを愛する人がいろいろなことを偲びながらしみじみ味わうのにふさわしいボトル。
【Very Good, Interesting】
最初に飲んだ時にはわりと硬さがあり、無骨な麦感をベースにフェッターケアンのようなバターやホワイトチョコのようなオイリーさが目立つ印象でした。厚いモルトだとは思いましたが、正直38年の熟成感は感じませんでした。
その後、徐々にフルーティさとクリアな印象が出てきて、麦感はそのままにプレーンなニュアンスになりました。(散々飲んでいるボトルなのに、昨年末のブラインドイベントで見事にかすりもせず外しました・・。)
フルーティさが強まりモルティさが落ち着いてきたことでバランスはどんどん良くなり、開栓後時間が経った今なお飲み頃に近づいているような気すらします。
終始変わらないのが一本筋の通った麦感で、それ以外の要素が抜けたり出てきたりして、非常に興味深い変化をしてくれました。
〈2012/3/13 whiskylinkで公開〉
2012/9/19 追記:
これはすでにいろいろ検討に検討を重ねた投稿だったので、追記することがあまりないのですが、飲みきってしまうと変化が楽しめなくなるからという、自分としては珍しい理由でまだ残してあります。
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2012.09.12【日記】
これまでのテイスティングノート26:ダルユーイン 1980-1999 マキロップチョイス #1236
ダルユーイン DAILUAINE 1980-1999 Mackillop’s Choice 55.2%
Cask No.1236
・香り:
かなりモルティ、しっかりとライ麦パン、ショウガ、薄めにべっこう飴、バター、干し草、薄く瓜、樽の影響をあまり感じない
・味わい:
非常にモルティでスパイシー、フレッシュな草と干し草が両方、ショウガ、フルーツは強くないが少し柑橘、プレーンな酒質、麦の甘味が主で、複雑ではないが結構おいしい。ミディアムボディ。
・余韻:
麦々した甘味とスパイシーな余韻
・加水:
加水するとスパイシーさが和らぎ、麦々している中に柑橘が見え隠れする。これはこれで悪くない。
・総評:
モルティでプレーンな酒質。
あまり樽の影響が感じられず素直なウイスキー。特徴には乏しいが麦の旨みがある。
【Good】
以前、フルーティなDAILUAINEに感激した時に購入してみたものでしたが、全く逆のモルティタイプでした。 飲み飽きせず、これはこれで結構美味しかったです。
〈2012/1/19 whiskylinkで公開〉
2012/9/12 追記:
これも以前書いたシングルカスクコレクションのグレンバーギーと近い、プレーンでモルティなタイプでした。
際立った特徴がないぶん、なんとなく飲んでも罪悪感なく楽しめるボトルです。
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