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これまでのテイスティングノート36:グレンファークラス 1991-2011 オフィシャル ファミリーカスク #5693

 

グレンファークラス GLENFARCLAS 1991-2011 OB THE FAMILY CASKS
exclusively chosen by the highlander inn for Shinanoya #5693 56.9%
one of 470 bottles

・香り:
良いシェリー感、コーヒー、カカオの強いチョコレート、カラメルや黒糖の非常に甘い香り、熟したプラムやオレンジ、ベリージャムのような濃縮したフルーティ、干しブドウ、ほど良いウッディネス、焼いたパンのような麦感、サルファリーはほとんど感じない、少しミント、レザー感、かすかにもっさりした印象もあるが、とにかくこのヴィンテージとは思えない良いシェリー感

・味わい:
56.9%の度数を感じない口当たり、粘性が高くまったりしている。
ベリージャムのような甘さ、ハーブ、ウッディネスを伴うタンニンの渋味がほど良く効いている。酸味も感じられ心地良い。後半は少し若さも感じるモルティとヒリヒリとしたスパイシーも出てくる。終盤になると少しもっさりしてかすかにサルファリーも感じられるが嫌味とは全く思わないレベル。シェリーカスクとしてのバランス良好。ミディアム~フルボディ。口に入れてからの変化が大きくそれも楽しめる。

・余韻:
良いシェリー感を中心にタンニンの渋味、モルティもある、すごく長くはないが心地よい。

・加水:
よりマイルドで軟らかくなるが崩れない。

・総評:
90年代シェリーカスクとして本当に素晴らしい出来。特に甘酸っぱさが好印象。開栓直後は硬いなりに美味しく、その後数日で甘さと麦感がでてきた。ほとんど嫌味は無く、バランスも良く、申し分ない。

【Very Good】

しつこいですが、90年代のシェリーカスクのモルトとして本当に秀逸なボトルです。ハイランダーインと皆川さんの現地での信頼があればこそ出してもらえた樽なのではないかと想像してしまいます。最近のシェリーカスクのものではTHE BOTTLERSのスプリングバンク1993と双璧を成す素晴らしい出来で、ベリージャムなど同ボトルとの共通点も多く感じられます。サルファリーは探すだけ野暮という程度。開栓して数日ですが非常にお勧めできるボトルで、速報として投稿させていただきました。今後変化があれば追記していこうと思います。

2012/5/27  追記
ボトルが終盤に差し掛かってきました。
ますますサルファリーは遠のき、ブランデー様のブドウ感が際立ってきました。ビターチョコや焦がしてしまったカラメルソースのような渋味を伴う濃い甘みも心地よく、ハーブ感の中に占めるセロリのニュアンスが強くなりました。深みがあります。個人的にはこいつが近年リリースのシェリーカスクのモルトを代表するボトルであることに、もはや疑う余地がありません。

〈2012/4/23 whiskylinkに公開〉

2012/9/24  追記:
これは改めて飲んでも本当に良くできた近年詰のシェリー樽のモルトですね。
すでに自宅でも2本目に突入していますが、もっと買っておけばよかったです。

 
 

#グレンファークラス (GLENFARCLAS)

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