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グレンギリー 1972 15年 Slim Cowell’s personal selection II 60%

一口飲んで鳥肌が立ちました。そしてギリーで間違いないと思います。

 

グレンギリー GLENGARIOCH 1972 15yo Slim Cowell's personal selection II 60%

香りは高貴なニュアンスもある妖艶なオールドシェリー、ベリージャム、みずみずしさも残した皮付きブドウ、高級なビターチョコレート、シェリーにマスクされない旨そうな力強い麦感、腐葉土のようなアーシーさと少し葉巻のようなスモーキーで強いピート、レザー、ブーケガルニのようなハーブ感とクローブを噛んだようなスパイス感、リッチで複雑。
飲むと刺激のない口当たりから極めて芳醇に広がる、噛むごとに味が出てくるような濃縮したテクスチャー、極めて複雑、強いが支配的ではない妖艶なオールドシェリー、ベリージャムとブドウの皮、ビターチョコレート、濃縮したフルーツの甘味と心地良く引き締めるブドウの皮の渋味、オールドのハーブリキュール、焦がし麦、腐葉土のアーシーさとアンティーク家具のようなウッディネス、タールっぽさも伴うしっとりしたかなり強いピート、鞣し革、どこかエレガントさもあるうっとりするような陶酔感のある長い長い余韻。

【Excellent】

蒸留所の記載のないハイランドモルト、1972蒸留の15年熟成ですから1987年くらいのボトリングです。
ハンブルグのカレドニアンハウスというショップ向けのボトルのようです。

いやはや、テイスティングノートにおける私のテンションからわかる通り、突き抜けまくった旨さです。

妖艶さも感じる濃厚なオールドシェリーのニュアンスが全体を覆っており、ベリーやブドウの皮を含むジャムっぽさのあるフルーツ感や高級ビターチョコレート、ハーブにうっすらインドカレーを感じるようなスパイス感、レザーや腐葉土のようなアーシーな要素、味わい深いウッディネス、そして負けじと残った麦感、これらが香りにおいても味わいにおいてもどんどん湧いてきて、混然一体となって融合しています。そしてそれが長く長く陶酔感のある余韻として残りました。

魅力について書こうと思えばいくらでも書けそうですが、特筆すべきはやはり突き抜けたオールドシェリー感とハイランドらしいまるで葉巻のようなピート感、そしてアーシーさの融合でしょう。そしてその脇にも、なんとなく流すには惜しすぎるほど多彩で魅力的な要素があり、彩りを添え香味を深めているという感じです。

尋常ではないほど多彩なのにまとまりがあり、全体としては意外なほど女性的でエレガントに感じたのも印象的でした。

久しぶりに鳥肌が立つほど美味なモルトを飲むことができました。

このボトル、三越前のIANさんが来年の名古屋のイベント「Whisky Lovers Nagoya 2017」で提供する予定のボトルで、本来はBARでは非売品とのことです。
今回状態を見る意味も含めた味見(にしてはしっかり飲ませていただきましたが)にお付き合いする機会に恵まれたのですが、本当にずっとテイスティングしていたいような幸せな時間でした。

なお、蒸留所表記がないのですが、このボトラーの過去のハイランドモルトのリリースはグレンギリーばかりだという話ですし、何より味的に間違いなくギリーだと思います。

突き抜けたギリーといえば、やはり同じくシェリーカスクの伝説的ボトルであるサマローリの1971フルプルーフが思い浮かびますが、甲乙つけがたい素晴らしさです。
しいて言うならサマローリのほうが迫力があり、こちらのほうがエレガントさを感じるという違いでしょうか。

このボトルを飲むために名古屋に行ってもいいと思えるくらい突き抜けた魅力のあるグレンギリーでした。

 

#グレンギリー (GLENGARIOCH)

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